半人前主婦

帰りの遅い夫を待ちながら、今日も三歩進んで二歩下がる

高血圧とぐりぐりと里帰りと

ひさしぶりに頭が痛い。少し熱もあるみたい。

疲れたかな。

それとなく血圧を測ると、139/88。え?
翌日もやはり134/78、そして頭が痛い。
え?今まで110〜120/70前後だったのに。

ふと「妊娠高血圧症候群」の文字が頭をよぎり、調べてみると主な症状に頭痛とあった。そして、悪化すると母子ともに危険が及ぶ怖い病気とある。闇雲に調べていた曖昧な情報を整理すると、一気に怖くなってきた。
このところ好き勝手していた外食が祟ったか。臨月にかこつけて、好きなもの三昧。
油断していたけど、体は正直だった。実は体重もいいペースで増えている。

そのまま健診の日を迎え、そのまま先生に報告。
今から食事とか気をつけることはあるか?聞くと、

「うーん、それはよくない。でも、あなた赤ちゃんもお腹ももう十分大きく育ったし、今から食事とか薬とかで治療するってより、出しちゃっていいんだよね、もう。」と。

で、別室で内診。
あれ、いつもと違う。
痛い。痛いぞ、こら!何をしとる!
しかも、やたら長い。
声にしないといつまでも続きそうだったので、ついに小さい声で痛いですと言うと、そうだよね、とボソり。
内診を終え、ぽかーんと元の部屋へ戻り、先生の前に座るや否や、
「来週の健診は産まれてなかったら、また1週間後にね」とひと言、あっさり帰された。
へ?産まれてなかったら?って。
冗談なのか本気なのか、あの先生わからないんだよ。呆気にとられて、何も聞けぬまま診察室を後にしていた。

一体何が起きたんだ?
会計を待つ間、なんだかちくちく痛むお腹をさすりながら、
「内診 ぐりぐり 痛い」とスマホに入れると、うわー出てくる出てくる!

通称「内診ぐりぐり」と妊婦さんの間では呼ばれてるらしい。そのまんま!
まさにそのまんまだけど、何をされているか見えないし、そうとしか言いようがない、とにかくぐりぐりされるこの処置をされたに違いない。どうやら子宮内を刺激して陣痛を促すそう。
臨月入った妊婦さんで必要な人には、ぐりぐりしまくって、その晩陣痛きただの、効果なかっただの〜の流れになるらしい。
後で聞いたら「ちょっと魔法かけてもいい?」なんて先生に言われた友だちもいた。なによ、ロマンチックね。

正式名称「卵膜剥離」は、子宮口に指を入れて赤ちゃんを包む卵膜を子宮壁からひき剥がし、子宮収縮を促し、陣痛につなげる方法だそう。どう考えても痛そうでしょ?

あーなんかされちゃったよ、と病院帰り夫に愚痴をこぼすと、
そらいかん!明日にでも実家に帰るのだ!と、今度は夫が騒ぎだした。
こんなはずじゃなかったのに、説得も虚しく、ほんとに帰ることになってしまった。あぁ、忙しい。
あんまり騒ぐから、私まで今晩陣痛来ちゃうんじゃないかと焦ってきた。あぁ、悩ましい。

帰るなり、里帰りの用意をさくさくまとめ、お寿司が食べたい私の望み通り、夕飯はお寿司を食べに出かけた。大袈裟だろう、泣けるほど美味しく、うっとり。何かにつけて最後の晩餐感に酔ってしまうんだった。
その夜はふたりして興奮して、なかなか寝つけなかったのは言うまでもなく。

布団の中で、予定日なんてあくまで予定であって、予定は未定で、ナビの予定到着時刻みたいなもんで、だいたい1時間とかすぐ巻けちゃうし、天気や渋滞や工事や走り方で、時間なんてコロコロ変わるんだしと、しきりに変な例え話をしながら、納得させ合ったというか、とにかく落ち着こう落ち着こうって、落ち着く気なんか更々ないのに。
まだ早いよね、いや、もう会いたいよねって、バカみたいにはしゃいだ。

翌朝目が覚めると、なんかやっぱり平気そうな気がしてきたけど、夫が帰れ帰れとうるさいので、結局実家へ帰って来た。ただいま、ひまだ。
お腹を見るなり、母から「もう忘れちゃったけど、こんなに大きくなるんだっけ」と驚かれた。うん、先輩ママたち何人かにも笑われた、貫禄たっぷりのお腹だ。

そんなわけで、私はここへ来て血圧が急に上がってしまったことと、もう産まれても大丈夫ってことで、このまま高血圧が続いてしまうよりは!と、色々が混ざってこういう流れになってしまった。
だけどね、健診当日と、それから2日間も今日も血圧は正常値に戻ってて、もう頭も痛くないんだはは。
たまたまだったか測り間違いだったか、とにかくぐりぐり痛くされなくてもよかったのかも知れないと思えてきたが、こうなったら実家でおとなしく甘えさせてもらうとするよ。ひまだけど。
しかし、みんな優しいので、また一回り大きくなりそうだ。

 

 

臨む月と書いて、臨月

帰りの遅い夫を待つ間、寝っ転がってTVを観ながら何度もお腹をさする。妊婦さんってお腹ばかり触っていると思う。
こうやってお腹をさすることも、もうしなくなってしまうのか。ぺちゃんこになるはずのお腹を、つい1年前のお腹を、すでに想像できないほど、この膨らんだお腹と山あり谷ありいっしょに暮らしてきた。
「ここまできたら、もういつ陣痛がきても大丈夫だよ!」
と、アプリの中のベイビーが突然言い出した。

そ、そんな…
そこまできたのか。ついにと思うか、やっとと思うか、いや、欲張ってしまおう、どっちも私の気持ちだ。

 

それにしても、近頃全然眠れていない。
夜中に2〜3回はトイレで目が覚めてしまうし、1度目が覚めるとなかなか寝つけず、それなのに朝はわりとちゃんと起きてしまう。
上手に昼寝もできず、こんな生活でいいのかと思うけど、後期に入ると眠れなくなる妊婦さんは結構多いらしい。
そんな話をしていたら、このトイレで起こされるタイミングが、これから始まる赤ちゃんの夜泣きと授乳のリズムなんだと、聞かされた。ハードな寝不足生活になる前に、今からボチボチ寝不足の練習を始めるんだって。そんなことってあるんだ。

きっとヘタレな私を不安に思った赤ちゃんが、練習も人一倍必要と判断したんだろう。ちょっとスパルタ気味じゃないか。眠い。

しかし、人間の体ってば、ほんとすごい!
神秘的?いやいや、私はすっかり不気味に思ってしまったよ。頭では抵抗できない力に、私はただただ降参するしかないのだから。体のいいなりだ。

そんな寝つけないある夜に、ぶつぶつ考えながら、隣で眠る夫の顔をまじまじ眺めていたら、これまたはっとした。
口をポカンと開けてマヌケな顔をして眠るという私とは違い、夫のツンとすました寝顔は、先日病院でもらったエコー写真の赤ちゃんの横顔そのまんまだった。
思わず飛び起き、ひゃっ!と声を出す。こんなことってあるんだ。

今まで見てきた他人のエコー写真は、揃いも揃ってみんな宇宙人みたいだと笑ってきたけど、みんな違ったんだ。ちゃんと誰かと誰かの子どもの顔をしているんだ。
夫似なら、美人に違いないなぁ〜あの夜はぎょっとしたけど、うちの子、きっと美人だ。

初産は遅れるって聞いていたから、まだ19日あると、とにかく予定日を意識しまくってここまできたけど、よくよくちゃんと聞いて回ると私のまわりのママ達は予定日より早い人の方が圧倒的に多かった。
アプリが言う「いつ陣痛がきても大丈夫だよ!」は、いつ陣痛がきてもおかしくない状態だってこと、スルーしきれなくなってきた。
もし1週間早く生まれたとしたら、それはもう12日後ってことだ。とか、もう電卓も要らない小学生の算数を、繰り返し繰り返し、日毎当てはめてみたけど、数字の答えが出たからって、今から何がどうなるわけでもないんだった。

降参しよう、すべては体のいいなりなのだから。
いや、やっぱり怖くない、わけない。どうしよう!

 

見事なマタニティハイ

週末になると天気は崩れ、悪天候の中、3週末を使って新居への引越と退去のあれこれを終えた。
そんなこんなでまたずいぶんと時間が経ってしまった。
と言っても、夫の後輩や私の友達、家族のありがたい全面協力の元、私はひたすらヒーとかフーとか言ってるだけだったが。

そして、これから携帯が使えなくなると困るってこの時期に、突然電源が入らなくなった。ぶっ壊れたのか。いや、調子が悪くなっただけか?
積んだままのダンボールの山の中、はてどうするかと立ちすくんだ。
いずれにせよ、お腹が!!って時に、電話が使えなくなるのは非常にまずい。
荷解きの手を止めて、慌てて携帯ショップへと駆け込んだ。すると、まぁ色々なキャンペーンをしておりまして、こうとなるとあちこちの携帯ショップに聞いて回る羽目に。

結果、修理するはずだったスマホは、夫と揃って新しい機種へ変更することになっていた。子どもが産まれたら写真撮りまくるだろうから、カメラ機能はいい方がいいよねって、そら。
今より安く今よりいい機種になると言われれば、しない手もないだろうよ。

しかし、まず怠っていたバックアップに苦戦し、つづく複雑な話や面倒な手続きに、あぁなんで今なのかと、家に帰ればダンボールの山に埋もれた。
一向に片付かない部屋の中、便利だけど不便な世の中、使えると便利だけど、使えなくなるとこうも不便だってものの多さを再確認させられた。
なくてもよかったものが、なくてはならないものに、ずいぶんと変わっていったもんだ。もう簡単には戻れない、そういう時代の中にいる。

 

そんなこんなですっかり後回しになってしまっていた出産準備と赤ちゃん準備。
こちらもいよいよやらなくてはならない。夫が入院バッグを用意してないことに、とうとう呆れ出した。まだ自分の用意も済んでいないのかと。
病院で指示されたタオル類はこの機会に総入れ替えしたいと思っていたし、シャンプーとリンスはどこの、どの香りにしようかだって、楽しみだったのに、今となっては悩みの種。洗えればなんでもいいか。

そして、そんなバタバタの合間を縫って、なかなか会えないままだった友達をちゃっかりごはんへ誘いまくっていた。
あの子は子連れだから個室のあるお店でランチね、あの子は仕事帰りに合わせて、行きたかったあのお店でごはんにしよう。楽しい。
そうだ、その前に美容院も行こう、せっかくだ、ヘッドスパもしてもらおう。
きっと映画館にも行けなくなるだろうな。あれ、観とこう。
そう言えば、美術館で面白そうな展示やっていたな。
子連れでは行きづらいお店で、子どもは食べないだろうメニューも、食べておこう。

そう、あれもこれも今だけ、今だけ。

特別な今を特別カラフルにしたくなって、気づけばあっちこっちを飛び回っていた。
どこにあったのだろう、こんな気力と体力。フル稼働しているうちに、どんどんハイになっていく、私。
もはや不安など微塵もないと言ったらウソになるけれど、この大きなお腹を抱え、気持ちもずいぶん大きく育ってきたのだ。

もう産むしかないのだ!
大丈夫!
何がって?
すべて大丈夫さ!

あんなに特別扱いされることにイライラしていた時期をも忘れ、自らを特別甘やかし、この特別な時期を、がむしゃらに駆け抜けている。臨月を目前にして、今こそラストスパート。
お祭り騒ぎをしてる自分がほんとうにおかしいけど、何がそんなに特別なのか?なんて、もういちいち考えたりもしない。もう誰にも止められない。笑

今更だけど、バタバタとタスクをこなしていく方が性に合っていたようだ。ほんと今更。
たぶん今、頭はそんなに利口に動いてない。考えることは好きだけど、メーターを振り切ったらばかばかしくなってきた。私の頭で考えられることなんて、これから先起こることに比べたら、きっとちっぽけだ。
今は直感だけ。やりたくないことは猛スピードで終わらせて、やりたいことを目一杯楽しむ。

この姿、完全に噂のマタニティハイってやつだ。
花冠つけて、半裸になって、まぁるいお腹を抱えた写真をSNSに上げ、世の中から非難されてるあれだ。いいじゃないか、好きにさせてくれよ、と思う。

面白いほど、いろいろなことが一気に進んだ1ヶ月だった。
考えたまま、大切に?いや実は面倒になって?眠らせていたことが、みるみるうちに現実になっていった。
結局行動でしか、先へは進めないのだ。これでいいのだ。

いくらか片付いた部屋で、遊び疲れた体をソファに投げ出し、勢いよく揃えた赤ちゃん用品を眺めながら、1日1杯だけのコーヒーをちびちびすする。
“来るところまで来たなぁ”と、感慨深いようで、そうでもなかったり。出産はゴールでないからね、浸るにはまだ早いのかもしれない。自分に言い聞かす。

このままのこのノリで、私は出産を迎えるのだろうか。悪くない。
予定日まであと33日。33日しかないのか。




妊娠中にそれなりにやってきたこと(後編)

サボっていた洗濯物の山と戦っていたら、夕方になってしまった。
さて、昨日の続きをさっそくさくっと書こう。

たぶん誰しもが直面するであろう、巨乳問題!もしかしたら貧乳な人ほどな気もする。

個人差もあるだろうけど、早い段階からたわわに実り始めた我がおっぱいに、もはや困惑中だ。現在進行形で、なおも成長を続けている。

しかし、体ってすごいなぁとしみじみ思う。ずいぶんのんびりな心の準備とは裏腹に、着実に母仕様に体は準備を始めてくれちゃうんだもの。勝手ね。
最初こそボイン自慢をして浮かれていたけど、谷間に容赦なくかく汗、どんどん黒く主張してくる乳輪。今まで着ていた夏服はなんだか卑猥。と、とにかく裸になる度、衝撃の連続だった。
なんだか恥ずかしい気分にすらなってきたわけで。なんだろ、牛みたいだし。
さらにこの先も容赦なくビックになっていくと聞いて、一体全体どうなっちゃうの?私のおっぱい!ひゃー!ってな具合だ。

取り急ぎ3~4ヶ月の頃にUNIQLOのスチームレスブラとブラキャミをサイズアップして購入し、プラスでPigeonの産前産後ブラも仲間入りした。脇からポロリと出せる斬新なアレだ!
ブラキャミはお腹まわりがすでにぴったりになってきたので臨月には着れないだろう、失敗だったな。胸から下がひらーと広がるタイプのものにすればよかった。

あと、授乳用に人気のモーハウスのブラが気になっているので、ただいまそちらも検討中。あと数枚は必要になりそうだし。



アプリは“トツキトウカ”を夫婦で使っていて、これがほんとよくできているなぁと思う。
非常に楽しく幸せな気持ちにしてくれるのだ。
アプリを開くとこんな調子で、毎回一言プレゼントしてくれる。かわいい。

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はじめこそバカにしていたけど、毎日毎日眺めていると、まるでまだ見ぬ我が子のよう思えてきて、かわいくて仕方がないのだ。すっかり夫もハマっている。

今日はどんなポーズしてくれているかな?はじめは豆粒みたいだった我が子が、スマホの画面の中で、どんどん大きく成長していくのだ。お腹の中を見れないから、夫といっしょにまた表情が変わったね、新しいことしゃべったね、元気に育ってくれているんだね、などと、夢みたいな甘い気分を味わっている。いい年して笑ってしまうが、今では一日に何度も開いてしまう、癒しの神アプリだ。

日記には、健診のエコー写真や大きくなっていくお腹の写真、お出かけの写真などをペタペタ貼って、健診の様子や体調などを一言添えている。手書きの日記よりずっと手軽なので、わりとこまめにアップできている。
あと今の自分の週数を把握できるので、とくに妊娠初期の自分の週数がよくわからなかった頃は、アプリを開けばすぐに表示されたので、便利だった。


妊娠出産本もたくさん読んだ。
妊娠発覚後、私より先に定番のたまひよを買って帰って来たのは夫だったな。嬉しそうに帰ってきた顔を思い出すと涙ぐんでしまうわ。私より先に読んじゃうから、まるで先輩妊婦のようだったな。
それから夜な夜ないろんな本のページを2人で開いたっけ。
“今小指の爪くらいかな?”と小さすぎる我が子を笑い、
あんまり辛いもの食べすぎないよう言われたり、やっぱり食べたいだの騒いだり。

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これに加え、妊娠出産エッセイや漫画も読んだ。
十人十色、妊娠出産にはドラマがあって、笑いあり涙あり、赤裸々な秘話の数々にずいぶんと励まされた。
コントみたいなことが起きるのが、妊娠出産なんだろう。神秘的であり、むしろギャグみたいだとも思う。
夫は宮藤官九郎さんのエッセイ“俺だって子供だ!”が気に入っており、私は小説だけど角田光代さんの“予定日はジミー・ペイジ”がお気に入りだ。

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やれ妊婦中に必要だったあれこれも一段落し、これからは出産準備本番に入るのか!恐ろしや~

チャイルドシートやベビーカーに始まり、哺乳瓶やおんぶ紐、おしり拭きウォーマーなんてのもあるらしい。
私の母親の頃はまだ布おむつが主流だったので、年子の妹と私の分と、毎日毎日おむつの交換とおむつの洗濯ばかりしていたと言っていた。想像するだけで、ぐったりしてしまうわ。
とりあえずネットの口コミや雑誌を片っ端から読み漁ってはいるけど、どうも私は買い物があんまり好きじゃない気がする。赤ちゃんグッズって無駄にウキウキするものなんだろうけど、結構冷静にどれも要らない気がしてくる。何が必要なのかもイマイチわからないし。
ちっちゃくて、洋服とかどうしょうもなくかわいいんだけどね。着れるの一瞬じゃん!と、かわいい洋服を前にかわいくないことをボソッと言ってしまう。


それに比べて、買い物好き、道具好きの夫は何やら真剣にメーカーごとのスペックなどを比較しては、ニヤニヤ楽しそうだ。ベビーザらスに行けば、私の知らないメーカー名をぼんぼん説明してくれる。これ着せたいと見せられる服は、どうも私とは趣味が合わず、またひと悶着ありそうだ。
まぁ感心するやら、哺乳瓶の飲むときの角度が・・・とか言い出した時は、ちょっと引いたけど。
妊娠出産育児に全然興味を示してくれない夫の愚痴をまわりからよく聞いてきたから、ありがたーく、おとなしーく、ちょっと気の早いと思われるウィンドウショッピングにも付き合っておこう。

明日は初めてのパパママ教室だ!夫はどんな講習なのか、やや緊張している様子。
今までの感謝も込めて、夜はひさしぶりに焼肉でも食べに行こうかな~

 

妊娠中にそれなりにやってきたこと(前編)

すっかり外は秋の気配。今年は夏らしくない夏だった。あ、BBQしてないや。ちょっとさみしい。
今日から9月かぁ、早いものでもうすぐ妊娠7ヶ月に入るのだ。
たくさんの情報に踊らされながら、浮いたり沈んだり、忙しかったな。
それでもそれなりに妊婦らしいこともやってきたんだなぁと、今日は振り返って、記録に残しておこうと思う。

まずは葉酸の話!
妊活中の人や妊娠初期の妊婦さんは、1日480μgの葉酸を摂ることが厚生労働省から推奨されているそう。知ってるだろうか?葉酸なんて言葉すら、まったく知らなかった私。
妊活中のちょうどいい時期に先輩妊婦さんから教えてもらったので、ルイボスティーと一緒に葉酸摂取を始めてみた。普段の食事からちゃんと摂れればいいのだけど、例えるならバナナ10本って、なかなか難しい量。もちろん野菜や果物かバランスよく摂らなきゃだけど。

そこで足らない分を補うために葉酸サプリの出番なのだ。しかし、このサプリ選びが難しいというかキリがなくて。何メーカーも試せないし、添加物などを調べるにも知識が乏しいので、いちいち挫折する。中途半端な調査を繰り返しては、いよいよ面倒になってしまった。

いつまで続くかわからない妊活だったから、最初からあまり高価なものは続けられるか微妙だったのと、いざ妊娠したらそれこそオーガニックで高価なものに変えてもいいやね~と思い、
それでも合成葉酸か天然葉酸か、添加物の有無・量・内容、定期購入のからくり、値段、HPの信用性、口コミ、飲みやすさ、この辺を自分なりに調べ、納得したもの。
なので・・・結果的に、気に入って今もそのまま飲み続けている。(妊娠中期の現在は量を減らします)
小粒で飲みやすいし(私は1回に1日分の4粒飲めたし、匂いもほとんど気にならなかった)、
コスパは抜群、口コミも成分も安心できそうなので、出産までお世話になることで落ち着いた。

【AFC公式ショップ】女性100人の声から生まれた葉酸サプリ

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値段もドラッグストアで買える500円程度の安価なものでもなく、5000円オーバーの高価なものでもなく、真ん中くらいってのが、やっぱり手が出しやすいし続けやすく、私にはしっくりきたかな。


次に妊娠線予防!
WELEDAのマザーズボディオイル(マタニティーストレッチマークオイル)
ただいま2本目使用中。
しっとりいい匂いで、これとっても気に入っている。香料はすべて天然のエッセンシャルオイルだそう。私はつわりが軽い方だったので、香りも気に入っているけど、けして強すぎないのでつわりの大変な人でも使いやすいと思う。
サンプルでもらった他メーカーのクリームも悪くなかったけど、これは迷いなく即決した品。

ヴェレダ マザーズボディオイル 100ml

ヴェレダ マザーズボディオイル 100ml

 

 オイルに慣れてないから最初こそ伸ばすのが難しく感じたけれど、慣れてきたらなんてことなく、肌なじみもいい。ただやはりオイルなので、塗った直後に服を着るのは少々ためらった。私はお風呂上りに塗って、即パジャマだったので、 それもすぐ気にならなくなったけど。

こまめに塗るのが面倒なので(1日2~3回が塗った方がいいらしい)、
お風呂上がりに1日1回、お腹、胸、お尻、太もも、二の腕!今のところ、線は出てない。
しかし、7割以上?2人に1人?の妊婦さんに妊娠線ができてしまうというショッキングな噂を耳にしたので、こればっかりはなぁ~急激な体重の増加に気をつけながら、引き続きケチらず塗っていきたいと思う。頼んだぞー!


腹帯は「犬印はじめて妊婦帯セット」にした。

犬印本舗 妊婦帯 はじめて妊婦帯セット M~L ピンク HB-8106

犬印本舗 妊婦帯 はじめて妊婦帯セット M~L ピンク HB-8106

 

戌の日に神社でお祓いしてもらったもの。キナリのシンプルなものにしたけど、ちょっとババ臭かったかな。
6ヶ月を過ぎたあたりから、体重増加による腰痛が本格的に始まって、それなりにつらくなってきたので、仕事中と家事中は付けている。しかし、気温の高い日は、補助腹帯とコルセットタイプの妊婦帯を両方付けると、息苦しいくなかなかしんどかった。
せっかく買ったので、わりと真面目に付けてるけど、まわりからは面倒で途中から付けなくなっちゃったーなんて声もよく聞いた。すっぽり守られている感じが私は安心できて、好きだけど。
これから冬に向けて、冷え対策も兼ねて今以上に活躍してくれることを期待!

以上、長くなりそうなので今日はこの辺にして、続きはまた後日。

 

ミニマリストとコレクターの狭間

年内には4年暮らしたこの家を引っ越す予定だ。
気づけばこの家の収納はすっかり満タンになっていた。

我が家はたぶんものが多い。

今時珍しいコレクター気質の夫。今でこそそんなことはできないだろうが、スニーカーを履く用と観賞用と2つ買いたいタイプの人だ。

私はと言えば、兼ねてから乗りたかった断捨離ブームと、長旅から帰国した異様な興奮で、もう何も要らないわー!と、結構な量の本を、あげるなり売るなりして思いっきり手放した時期がある。
しかし、せいせい気持ちよかったのも束の間、何冊もの本を買い戻した。
結果、小さな本棚が1つ増えた。


夫婦揃って定期的にTSUTAYAでレンタルしては泣く「スラムダンク」は、もういい加減全巻揃えた方がいいのではと、もっぱら夫婦会議の議題だ。全31巻!

憧れの松浦弥太郎さんが言う。

“本は読むもの、飾るものではない。読んだら処分。”
「本を所有する“蔵書”という感覚がありません。本棚に飾る、読むべき本をストックする、系統的にそろえていくという主義はありません。本は読むものであって、読んだら役目は終わります。よほどのことがない限り、読み終わったらすぐに処分。人にあげる、寄付する、やり方はいろいろあります。これは物を増やせないための考え方でもあります。」
〜100の基本 松浦弥太郎のベーシックノートより〜

そうなんだよ、読むものであって、集めるものでも飾りでもない。


しかし、大好きなみうらじゅんさんは言う。

――それでもミニマリストには共感できませんか。
だって、何かアイテムがないと、そんなに面白い人間じゃないっていう、自負でもないですけど、大した人間じゃないと思い込んでいますから。バンバン、モノを捨てる人たちは、ありのままがすごいと思っているのかもしれないですね。僕は、たいしたことない人間ですけど、いろいろ面白いモノを買ってきましたから、と生きてきた。そんなにモノをなくして、自分が残る自信がありません。自分を取り巻く世界も含めての自分ですしね。僕は怖くて素っ裸では勝負できません。こっちから見ると、そういう人は自信ありすぎでクラクラします。

みうらじゅんが考えるミニマリスト -- 「ミニマリスト」になりたいわけじゃない -- 朝日新聞GLOBE

まったくもっておっしゃる通りっす。

対照的な2人だけど、BOOKOFFに売り出されてるのは松浦弥太郎さんの本が圧倒的に多い気がするのも、納得かな。


自分の本棚を眺めるのが好きだ。
本棚の前にしゃがみ、あれこれと手を出しては引っ込めて、だらだらと過ごす時間は至福の時に思う。

ただただタイトルが好きだったり、突然手に取りたくなる詩集だったり、自慢の本だったり、思い出があったり、解せないミステリーだったり、積読本だって何十冊とある。

私のちっぽけな世界がぎしぎし詰まった、自意識の塊みたいな、うっとうしさが、心地よい。
そんで、遊びに来た友達が本棚を「面白そう」なんて言ってくれた日には、嬉しくなって、
貸す貸す貸すー!どれでも持ってってー!となるのだ。うざい。

しかし、積読には結構困っておる。
ふとしたタイミングで積読になってしまった本たちには、ほんと申し訳ない気持ちになる。
一気には読めないし、でも、今読みたい旬の本とは違うし、かと言ってむやみに断捨離はできない。やむなく後回し。

話は少しずれるけど、そんな積読についての悩みに、ポジティブな記事を見つけた。

「買った本が積まれた状況は、自分が知りたいことや欲求の鏡だといえます。それが目に入るところにあって、日常的にざっと眺めるだけでも、相当な知的刺激になります。」 

 "積読" は解消の必要なし! 東大教授に学ぶ、"積読" ほんとうの価値。 | コラム

これこれこれ!
結局退屈が苦手なのだろう。いつだって言葉ばかり追っては、刺激を浴びたがる。
私の中の罪の意識が見事に薄れ、いつまでも追っつくことはなくとも、のんびり読んで行こうと思ったわけで。

でもさ、違う、ほんと!
この現代、身の回りをミニマムにすることは健康かも、大事かも、しれないぞ!と、思うわけで。
ものと情報で溢れかえってるって、誰もが思うでしょ。

自分で収集したくせに、ものや情報に振り回されて、パンクすることも多いでしょ。
やっぱり頭も体も持ちすぎれば重くなる。鈍る、しんどい、邪魔。
健康に適した体重があるように、適正な持ち物の量はやはり限られているように思う。

ほんとにほんとにほんとに必要か?と問われれば、
悲しいかな、そうでもないものだらけ。

残酷なニュースもわけわからん騒ぎも誰かんちの不倫もインスタ用の写真も、もう十分でしょ。
増えて欲しくないでしょ。

あの5年は着てないワンピースも、どこで買ったのかも忘れた変な置物も、記念に取ってあるフェスのリストバンドも、たぶんもう出番は終わった。

気づけば好きなものばかりのはずが、なぜか余計なものや不穏な情報にさえ、安心感を覚えたりしてる。
寂しいから?比較したい?刺激不足?

あれ、なんの話だ!ほら、頭の中もごちゃごちゃとしてる証拠じゃないか!

ある程度ごちゃごちゃとものや情報に囲まれてこそ、私は調和が取れ、好奇心も満たされるのかもしれないけど、このバランスがなかなか難しいように思う。
一線超えるとすぐにグラグラと崩れ出し、いとも簡単に心身ともに不調になっていくのだから。

そして、また懲りずに、見切り発車で断捨離もどきを始めてしまうのだろうか。はは。
断捨離にはちゃんとコツとかあるよね、たぶん。
まぁやらしておけばいいかと放っておくことにしたが、そんなことを考えていると、どっちつかず、ミニマリストとコレクターの狭間はツライよ。まったく。

結局いつだって心はとっ散らかったまんまなのだった。ハイ、お手上げ!

はてさて、引越しを機にどっちに転ぶか。
どっちにせよ、少し片付けなくてはならないことに違いはないだろう。
まずは積読の中のあの1冊から手をつけてみることにしよう。


 

 

魔法のような音たち

夏の日。お腹に手を乗せると、手を繋いでいる気分になる。
このまま昼寝しちゃおうか。

まだはっきりこれだ!という胎動は感じられないないけど、脈拍の違う心臓の音が、
自分の体から2つ聞こえてくる、気がする。
ドクドクドク、この大きくて遅い方の音がきっと私だ。
だとすれば、トクトクトク、小さくて早い方が君ってことか。生きてる。
1つの体の中で2つの心臓が動いているってのは、なんとも不思議で。
合わせたら目玉は今4つあるってことなのか?なんかそれは怖いな。

あれ、やっぱり動いているよね?トクトクじゃない音、ぽこぽこと泳いでいる音。

しかし、いつを胎動記念日にしたらいいのか?今日?いや、昨日も一昨日も感じてる。
もったいぶってるわけではないけど、母子手帳に記入する“初めて胎動を感じた日”は、空欄のまま、すでに数日が経ってしまった。
もっともっとボコボコ蹴られたい。

「あ、今動いてるかも?!」と、声をかけると夫は飛んでやってくる。
だけど、この小さなぽこぽこはまだ届かないらしく、焦れったい様子で、ずるいずるいと悔し顔。
私がソファに寝転がれば、今度は真剣な顔でお腹に耳をピタリと張り付け、目を閉じる。
しーんと静まり返った部屋にグルルル〜、ちょうどよく私のお腹の音が鳴り響き、
はっと目を見開いて、「今の?!」と合図を送ってくるけど、
そんなはずないじゃん、赤ちゃんはもっとかわいい音をさせるのよ。うふふ〜。

このとんちんかんなやり取りは毎晩のようにつづき、終いには私の心臓の音がドクドクとうるさいと言われるんだった。早く夫にも聞かせてあげたい。

ソファに寝転がった私から見えるこの小さな視界には、今幸せしかない。
小さくて不確かだけど、十分すぎる。誰かと比べることのできないものだと思う。

近頃、妙に幸せだ。“妙に”って例えも変だけど。じんわりのんびり時間が過ぎていく。
安定期ってのは身も心も安定するのかな。私が守っているはずの赤ちゃんに、逆に守られている感じがする。
ぽこぽこ。ぽこぽこ。今日も魚みたいにお腹の中を泳いでいるのかな。
あぁ、私も海にでも行きたいな~