半人前主婦

帰りの遅い夫を待ちながら、今日も三歩進んで二歩下がる

いったん危機を乗り越えた?

付き合ってきた歴代の全彼氏から、勘弁してってなフラチな恋の黒い歴史まで、余すことなく知り尽くしている古くからの友人と、女三人水入らず、今年は温泉忘年会を開催した。
気づけば誰かが妊娠する前にと焦る、立派な年になっている。

夫の嘘発覚から間も無かったので、何だか気分はイマイチ乗らず。胸の奥につっかえた気持ちを持て余していた。
楽しいはずの旅行、こんな話もしたくなかったのだけど、夕食と温泉を無事終えて、部屋へ戻り、もう浴衣もはだけて極楽極楽だらしなーくお酒を注ぎ合っていたら、何だか込み上げてくる思いが。涙目。

酔いに任せて、ついペラペラと夫の嘘発覚からの一部始終を話していた。
そこで、肝のすわり過ぎている水商売で輝く友人から、ウィスキーロック片手に予期せぬお言葉を頂いた。
「あぁ、そんな話?よくあるよくある、〇〇さん(夫)もようやくポンコツ感出て来たじゃん!そのくらい、人間らしくっていいじゃない。」

え!うそーん!いいの?これで。
うわ、ポンコツー!まさにそれそれ。

そのポンコツの響きなら、何だか許せそうだと思ってしまった。夫はスーパーマンから見事愛くるしいゆるキャラに変貌を遂げたのか。
でも、ここは最低ー!信じられないー!ぎゃー!と来るはずじゃ…と、あとになって思ったけど。

女同士慰め合うでもなく、一見暗くなってしまいそうなこんな話を、こうやって笑い飛ばしてくれるのはありがたいし、頼もしく思った夜だった。多分2人とも忘れてるけど、話してよかった。

10代の頃と話す内容はすっかり変わってしまったけど、ガールズトークは、相変わらず何よりのエネルギーだ。

翌朝、ウィスキーロックな友人は絶対に起こさないでと言うので、友人とやや二日弱いの頭と体で朝の露天風呂にしっぽり浸かった。
「でも、ショックだったでしょう」の一言で、ほんとただショックだったんだよなぁって、それだけだったって顔に熱いお湯をかけた。それだけなのに、派手にこじらせたなぁと反省したし、そう言ってもらえ、安心もした。

ひと月ほど落ちに落ち込んでいたのがいよいよバカらしくなって来たわけで。
そもそも握り拳挙げて、ねじりハチマキ巻いて、裏切られたー!って騒ぐ気持ちは大袈裟だったのか?
いや、世のお金にまつわる夫婦の話をググりまくったけど、もう悲しいしえげつないし、顔も名前も知らないブロガーさんや知恵袋や小町の一言一言に、励まされたり、なんならお金貸したくなったし、
一緒に夫をYAH YAH YAHな気分にまで興奮したし、大袈裟じゃないと思ってるんだが。

でも、もうこれ以上大袈裟にしたくないとも思う。
これは私たち夫婦の通過儀礼なのか。それなら、通過してみよう。どうせ同じ道を通るなら、イライラばかりしたくない。野に咲く花でも愛でながら、とは行かなくとも。



後日、相棒と呼んでいる友人にもやっと話を聞いてもらい、これまたほんとに的確なアドバイスを頂き、冷静さも少し取り戻した。
また別の日には、もはや家族だと思っている友人とのファミレス定例会で顎が外れるほど、お互いの夫をYo!Yo!とDISり合い、気づけば別次元の話になっていた。

よく話した。エネルギーは満タンになった。大切なエネルギー、燃費よく年内を過ごそう。
またすぐにメソメソと悲劇のヒロインになってしまう日もあるだろう、その時はよろしくねって。

そんなわけで友達の存在にずいぶん救われ、なんとか踏ん張れそうだ。
でも、土台の部分は友達じゃなくて、ちゃんと夫の役目として一からしっかり築いて欲しいと思う。ゆるくていいからさ。その、期待しちゃう辺り、懲りてないのはお互いさまかな。

とりあえず夫をイジメるのも、ほどほどに、私は主婦として今日一日と、せめて明日一日くらいを、気持ちよく過ごしたいと、毎日心がけたい。