半人前主婦

帰りの遅い夫を待ちながら、今日も三歩進んで二歩下がる

暮れてく日々

わざとらしいけど、年末年始はしおらしく過ごそうということになって、缶ビールを飲みながら、紅白と笑ってはいけないを交互にチャンネルを替えた。何年ぶりだろう。

数年前に年越しで取った熱海の宿は、確か一人3万円もしたのに料理も部屋もイマイチだったよねと、今更夫が言い出したので、結局天気も悪くて初日の出も見れなかったよねっと私は付け足した。誰に対するでもない悪口を共有し、笑い合った。

当時がっくり肩を落としたであろう苦い記憶すら、いいつまみになるのだから、過ぎてしまえば日々は愛おしいばかりだと思う。時間が解決してくれることは時間任せに放っておくのがいいんだって、何度学んでも忘れてしまう。

クリスマスも大晦日も家でのんびり、主に料理ばかりして過ごしていたら、案外楽しくて、こういう時間を忘れていたとことにぼんやりと気づく。

気まぐれでシェフりたがる夫にクリスマス、リクエストしたメニューはローストビーフとパエリア。思い通りにはいかなかったみたいだけど、ちゃんと美味しかったし、何より作ってばかりだから、作ってもらう料理ってそれだけで、嬉しいもの。美味しさもひいき目になり、はなまる満足でした。
冷蔵庫に眠り続ける高いシャンパンはいつなっても開けられず、結局この日も安いワインで乾杯。
その後、夫は無印で買っておいた小さなスポンジケーキに、生クリームをたっぷり塗って、デコペンで私の顔を似顔絵にし、満足そうに食べていた。
反省しているというより、機嫌取りに忙しそうな夫だ。やれやれ。


自粛ムードだったはずなのに、例年のように旅行へ行く予定もなかったので、なかば長期休暇を持て余してしまい、普段なかなか行かないショッピングモールでぶらぶらと時間を潰していたら、思いの外、財布の紐が緩んでいた。
お店のディスプレイは魅惑的だし、みんな楽しそう。私たちもスタバでグランデ!と、調子に乗る始末。


たまにはいいか。

きつく結び過ぎた私の財布の紐、絡まって解けないから、この際ちょん切っちゃえばいいかと思えた。
またがんばろう。何度でもやり直そう。

投げやりになるつもりはないけど、何だか吹っ切れた思いになるのは、やっぱり年の瀬の勢いかな。
そう「今年の汚れ今年のうちに」って、花王のあのCMのフレーズが、毎年頭に浮かぶ。気持ちよく新しい年を迎えたいもの。来年は新しいお財布を買おう。