半人前主婦

帰りの遅い夫を待ちながら、今日も三歩進んで二歩下がる

主婦業なめてた

家事は疎か、まともに一人暮らしすらしたことがない経歴が、何故か私の履歴書からすっぽり抜けたまま、主婦になった。
そう言えば、ほぼずっと実家で暮らしていたんだった。
それでも生粋の長女っ子よろしく、幼い頃から母の手伝いを率先してする娘だったと自負している節もあり、ふわふわにそれは甘く、やや強引におばあちゃんの知恵袋さながらな、新婚生活を人並み以上に夢見ていた。
儚くも、掲げた旗の高さにキリキリと音をあげ、いとも簡単に降参するまで、時間はかからなかったが。
理想は高すぎた。何より世間知らずだった。

あれは2年前のピチピチ弾ける新婚当初、惜しくも仕事は残業続きで帰宅は9時過ぎ~10時近くになる日々。比例して、しおらしくもちゃんと主婦したい欲はぐんぐん高まり切って、オーバーヒート寸前。
夫のごはんだけでもと、鬼の形相でクックパッドと睨めっこ、不慣れな料理は思うようにいかず、時間だけが無情にもかかる。そして、何か不味い。
今夜はお弁当でいいよと言ってくれる夫に八つ当たり、これこそ主婦よ、家計のためよ、とわけもわからず必死こいていた。
とにかく疲れていて食欲もなく、夫の夕飯が作り終わったと同時、空きっ腹にビール一本キメて、朝を迎える。なんて日々を3ヶ月ほど続けていた。

そして、見事に8キロ痩せた。

いや、やつれた。友達にはあまりのゲッソリぷりにどこか体でも悪いのか、聞くに聞けなかったのだと、後に言われる。
1キロ痩せただけでも、痩せた?痩せた?と聞いて回る私が、18才の頃の体重になりかけている、スーパー嬉しいはずのニュースにも、ほとんど気づけなかったのだ。

あれから2年が経ち、パートタイマーになり、戻らなくてよかった体重もしっかり戻し、生活にもやっと落ち着きが訪れ始めているこの頃。
その間色々なことを投げだしたり、拾ったり、右往左往して来たが、結局家事をつづけていたんだ。
無理しないでと言ってくれたのも、君が必要だよと気づかせてくれたのも、ちゃんと掃除機かけてる?と聞いてくるのも、また夫だった。
まだまだ半人前なのだけど、今、主婦業の面白さを噛み締めてる。たまに吐き出すけれど。
やらなくても暮らせることが多いからこそ、そして、やることが無限にあるからこそ、せっかくなら面白がりたい。
主婦には時給もなければ、給料も出ない。自分へのボーナスだって決め込んで、amazonの欲しいものリストをポチッちゃうことは極たまに、極秘であるのだけれど。
私の働きで夫の給料が直接的に上がるわけではないし、誰に褒めらるわけでもないし、何だか報われないし、明日は雨だし、髪の毛切っても気づいてもらえないし、スーパーで買ったお惣菜をコソコソお皿に盛り付けて出したら「これ作ったの?すごい美味しい」とか言われちゃうし。
だけど、ブロッコリーの茎だって無駄なく使えるようになったし、賞味期限なんて全然気にしなくなったし、目を閉じたままでも狭い我が家なら掃除機くらいおちゃのこさいさいな気がして来たし、図太くなったし柔らかくもなった。

主婦って思ってたよりずっと大変だったよ、母さん。

帰りの遅い夫を待つ日々の中で、何か面白いことはないかとアンテナを張り、疲れては閉じこもる。そんな毎日はつづく。ちゃんとつづいてる。
そんな日々のあれこれ、趣味のこと、夫のこと、ロマンチックな夢、はたまた誰かの愚痴、
少し昔の話、遠い昔の話、今思っていること、今日のできごと、これからのこと、ずっと先のこと、暮らしにまつわる話を思いのままに書いていこうと思います。