半人前主婦

帰りの遅い夫を待ちながら、今日も三歩進んで二歩下がる

どうも今度は妊婦ブログになりそうです。

毎月やってくる妊娠検査薬との睨み合い。

これ不良品じゃない?と疑い出す。そして、もう一本。やはり線は出ない。
往生際が悪い。なけなしのあと一本。またムダにした。

丸い窓を睨み過ぎて、うっすら線が浮かんできた気さえして、目を擦る。いや、真っ白だ。
手を合わせて念じる。“終了”の窓にじゃなく、“判定”の窓にあの縦の線が欲しいのです。どうか私に線をひとつ。
再び角度を変えて見る、光りにかざす、いや、どう見ても真っ白か。正気に戻る。深いため息をひとつ。





そして、私はついに妊娠した。

たかだか半年が過ぎただけなのに、もしかして妊娠できないのではと、頭に浮かんできた頃だった。
ちょうど通院している産婦人科で、夫婦でがんばってダメなら、この妊娠に邪魔そうな筋腫を取りますか!と言われていた手術を、いよいよするかしないか決める月でもあった。

なので、その月に突如現れた線を見てもまだ、自分だけでは信じ切れず、そのまま妙なテンションで立て続けに2本キメて、次々浮かび上がった線たちをきれいに並べて、写メし、2人の子を持つ友達にLINEした。既読を確認するや否や、即電話。

これは線なのか?これが噂の線なのか?と詰め寄った。
経験者が言う「たぶん、間違いないよ」の一言でやっとうわーーーー!となったのだ。嬉しいっていうより、勝負を勝ち取ったような、そんな気分だった。

並べた妊娠検査薬に深々頭を下げ、ありがとうございます。と心の中ではっきりと言った。

そのすぐ後に、やっぱりあわあわと狼狽え始めたのだ。
え、ほんとに私妊娠しちゃったの?


当時書き留めていた気持ちを読み返すと、全てウソのよう、まるで自分ではないようで、嫌になって残らず消した。世に広がるマタニティーライフってのを意識し過ぎ、やたらと神秘性を求めていた。

現実はそんな甘くなかった。自分が天邪鬼の面倒くさい奴だってこと、忘れていた。
妊婦になったら性格までふんわり柔らかくなるかと一瞬思えたけど、無理矢理ほほえんだ笑顔に隠された、心のギザギザはそう簡単に隠しきれやしないのだ。
厄介だった、ほんと。これはあとで愚痴ろう。

それから時間にして4ヶ月が経ち、妊娠5ヶ月と言われる期間にまで、やって来た。
信じられないが、お腹も少し出てきた。
今から祝!マタニティーライフスタート♡とはいかないけど、やっと少し落ち着いて妊娠したことと向き合える気持ちを持ち直したとゆーか、単に妊娠期間が半分近くも過ぎて、焦って来たのか、残したい思いが溢れてきた。

だって、あと数ヶ月後には、子どもを産むかもしれないんだぞ。
私たち夫婦の一方的で勝手な願望で、一人の人間をこの世界に連れてきてしまうんだぜ。

もしかすると一生に一度かもしれないな。

そして、自分の無力さを痛感させられた。
果たしてこんな不摂生な生活のままでいいのか?こんな腐った世の中と、ほざいたままでいいのか?大小異なるたくさんの不安や疑問を、何度も夫に打ち明け、今出せる答えを探り、確かめ合った。
まだ間に合うことはあるか?今から出来ることはないか?これからどんな家庭を築いていきたいか?頼りない2人で、提案し合った。

その提案の多くは今もまだ出来ないままだけど、現在進行形で多くのやりたいこと、やるべきこと、思いを両手いっぱい抱えている。
それはどれももちろん不安要素であるのだけど、同時に味わったことのない喜びでもあるのだ。

こんな不安と喜びにぐちゃぐちゃに押し潰されそうな日々、辛いと幸せを同時に浴びる日々、忘れたくない。

そして、「あーまじショボいわ、あの頃の私」って、いつか笑ってやりたい。
その時のつまみに、残しておこうと思い、放置していたブログを再び開いた。ずいぶん時間は過ぎていたんだなぁ。
今度は妊娠出産ブログになるのか?まぁなんでもいいや。

頼りなくて、弱音ばっかの妊娠、18w1dの日より心を込めて、
産まれる前からあなたのことがだいすきみたいです。

はじめての妊娠・出産安心マタニティブック―お腹の赤ちゃんの成長が毎日わかる!

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