半人前主婦

帰りの遅い夫を待ちながら、今日も三歩進んで二歩下がる

じれったい

恐怖の内診ぐりぐりをされて早2週間と数日、なんにも起こらない。
どころか、ぐりぐりをかましてくれた先生からは「全然下りてこない」「生まれる気配がまったくない」とさえ言われた。効果なかった?むしろ内診ぐりぐりじゃなかったのかな?
臨月の下がったお腹たちの画像をネットで拾い見ては、確かに私のお腹はまだまだ胃の辺りからぷっくり突き出ていて、素人目でも下りてないのがわかる。
もちろんおしるしってのもなければ、前駆陣痛ってのもイマイチわからないから、来てないのだろう。たまに感じる少しばかりの痛みだけが、便りだ。

生まれちゃうかもって慌ててしたはずの里帰りも、あれれ?毎日ひまでひまで仕方ないぞ。車もないし。
最初こそ優しかった家族からの扱いも、まだなの?ごはん食べすぎ!お腹でかすぎ!と、どんどん雑になってきて、家に一人にさせるのは心配だからと帰って来たのに、普通に一人にされるは、なんなら買い物頼まれるは、まぁいいんだけど。

「よっぽどお腹の中が居心地いいんだね」なんて言ってくれるのは嬉しいけど、
実は外に出るのがいよいよ嫌になっちゃったんじゃないかと、ビビリな我が子を案ずる日々。確かに、一度この世に足を踏み入れたら最後、後戻りはできないもんね。冬だし寒いしね。
わかるよ、よーくわかる、心の準備が出来たら出ておいで、ゆっくりでいいんだよ!
なーんて母親らしいことを甘く囁いておきながら、コソコソとスクワットを始めたせこい私。面目無い。
加えて階段の上り下り、散歩の距離がだんだんと長くなってきてることも、お腹の中の君が一番よく知ってるんだった。

予定日を大幅に過ぎてるわけじゃないし、予定日のクリスマスだって、1週間遅れて元旦になったって、それもなんだかいいねってほんとうに思ってたのに。
要は会いたくなっちゃったんだな。私も夫も。勝手な大人たちでごめんなさい。

そんなわけで、年末で忙しい夫にひまだひまだと電話でブー垂れてばかりいたら、帰って来る?と、優しい一声。
それからは調子に乗って週末になるたび、自宅に戻って過ごしている。やっぱり夫とする夜更かしが好きだ。今夜だって、すでにCDTVが始まってしまった時間だ。不良妊婦、再び!
2人で過ごす時間もあと少しだけど、なんかもう特別なことをする気もなくなった。

昼間は夫とショッピングモールをとぼとぼと歩いて回り、夫のクリスマスプレゼントを買った。私のプレゼントは出産してからがいいとお願いしている。今年着れなかったタイトな洋服が欲しい。
明日は近所の大きな公園を歩きまくる予定だ。あ、もう今日か。昨日みたく暖かいといいな。
そう、クリスマスイヴだ。夜はスーパーでチキンでも買って、ノンアルコールビールでもぐびっと飲もう!よく聞く焼肉+オロナミンC効果で陣痛来ちゃわないかしら。
来なくてもいいけど、来てもいいんだよ。気持ちはいつも、その繰り返し。