半人前主婦

帰りの遅い夫を待ちながら、今日も三歩進んで二歩下がる

離乳食!読んで字の如し、乳離れ。

奥が深いよ、離乳食。

いよいよ始めなくてはと、まわりからいろんな話を聞いて回った。
十人十色。まぁ結果!結構、面倒で大変なのが離乳食らしい。

「1人目の時は全部手作りでって意気込み過ぎて、途中から苦痛になっていた。」
「離乳食が楽しみで予定より早く始めちゃった。」
「全然食べてくれないから心配だし焦るしで、離乳食の時間がしんどかった。」
「3人目を妊娠した時に真っ先に浮かんだのが、あの大変な離乳食作りのこと。」
「友だちもいない県外へ引越したため、毎日ヒマだったから、全部手作り、作りたてをあげていた。作り置きって、なんか不味そうじゃん。」
「有機野菜などこだわって買っていたら、食費がぐんと上がった。」
「子どものアレルギーが発覚してから、授乳中の自分の食べ物も限られ、関係ない顔でなんでも食べている夫に不満が募った。」
こんな風に、様々な声を聞いた。先輩ママたちの話はいつも頼りになるし、ありがたい。

図書館で借りたり立ち読みしたり、本も何冊か読んだ。1冊手元にも置いてある。

どうも離乳食にはルールみたいなものがたくさんあって、月齢別にゴックン期・モグモグ期・カミカミ期・パクパク期と1歳~1歳6ヶ月を離乳の目安に、段階別に進めていくそう。

月齢別に食べさせていい食材や、量、硬さ、味付け、初めて食べる食材は基本1さじからと、ほんと未知の世界だった。
私はお粥がすきじゃないから今まで作ったことがなく、10倍粥なんてものを作った時は、すっかり母になったなぁと思ったもんだ。
とりあえず、我が家はこんな風にしていきたいという強い方針がお互いなかったので、友だちの話や本を参考に、ざっくり基本に沿って、とくにアレンジすることなく、進めていくことにした。

無理なく、とにかく無理なく、楽しく行こうがモットー。

お粥に慣れると今度は野菜を食べ始める。
にんじんから始め、ほうれん草やブロッコリー、おお、パクパクなんでも食べるぞ、スプーンにちょこっと乗せて、下唇に当てる。口を開ける。まるで実験のよう。

かぼちゃを裏ごししてお湯で溶いて味見をしてみる。あまーい!かぼちゃってこんな味だったんだ。
こんな具合で、調味料を使えない離乳食を味見するたび、食材の味を知る。豆腐だって、薬味たっぷりに醤油をかけて食べる私は、大豆の味なんてすっかり忘れていた気がする。日々、そんな発見がある。

なんだか楽しくなってきた頃、クタクタに出汁で煮た大根をあげたら、ものすっごい顔をした。
まだべぇと外に吐き出すことができないのか?オエーと舌を出しては戻し、それを数回繰り返し、仕方なく飲み込んだ。身震いしながら。
可哀想だけど、その姿に大爆笑。二日酔いの朝ですら、あんな見事な吐き顔はできないよ。
そして、再びスプーンに大根を乗せ、あーんと口元に運ぶと、反射的に口を開けてしまう娘。どんまい、今日のおかずは大根だよ。
大根に限らず、初めて口にする食材はこのパターンがお決まりになった。がんばれ、娘よ。

そして、1回食から2回食へ。
この頃からベビーフードも使うようになった。外出時の強い味方さ。
それでも、まだNGと言われている塩や砂糖が使われていることに、「???」と思うけど、硬さや味付けの参考にもなるし、外出先で温め直したり、食べ物が痛まないか気を使うより、ここは潔く活用することにした。心なしか外で食べるごはんは楽しそう。


うれしいことに娘はよく食べる。
目安の量のマックスを食べてくれるので、やりがいがある。
と言っても、育児全般で思うことだけど、「今のところ」なのだ。
気に入らなかったり、眠かったりすれば、途中でキーキー不機嫌になったり泣いたりする日もたくさんあるし、今のところ大丈夫が、ある日、まったくダメになることも、もうしっかり経験済みなので、食べない日はあまり気にしないようにする。その分、おっぱい飲んでくれ。まぁせっかく作ったのに、まったく食べてくれなければ、がっかりもするけど、大人だって食欲のない日はあるし。

休みの日は夫が積極的にあげている。完食まで30分近くかかるので、「こりゃ、毎日大変だなぁ~」と労ってくれるので、だろ?とドヤ顔。私のあやし方もよくわかってくれているなぁと思う。


ハードルを下げたからか、わりと順調に進んでいる。
これも先輩ママたちの失敗談や成功話を聞かせてもらっていたおかげだな。一人で何も知らずに育児書通りに始めていたら、心が折れていたと思う。

ゴックン期からモグモグ期になって、硬さも量も増え、あれこれ試行錯誤していると、この手で離乳を進めているのだと実感する。ほんとにおっぱいが要らなくなってしまうのかと思うと、途端に寂しくもなるけど、小学生になっても給食におっぱいとはいかないもんね。
魚やお肉も食べ始めたので、うんちもだいぶ変化して、筋肉もついてきたのだろう、顔を赤らめ、自分の意思でいきむ姿も愛おしい。ちゃんと食べていれば、出したいよね。立派な臭いに、いちいち感激しているのも今のうちだけだろう。

好き嫌いのない子に育ってほしいとは思うけど、まぁ私も夫も嫌いなものは嫌いだし、野菜嫌いは困るけど、嫌いな野菜があるのは私も同じ。パクチーなんて食べなくていいと思っているし。
ナスが嫌いな夫は、娘が美味しそうにナスを食べ始め、早速ショックを受けているよ。


すきな食べ物は?
4歳の姪っ子に聞くと「おにくー!」と即答し、お肉の変な唄を歌い出した。うん、肉食女子もいい。私は魚がすきだから、魚好きになってくれたら、刺身が食卓に並ぶ日が増え、それまたいい。

好きな食べ物はなぁに?早く、娘にも聞きたいぞ。