半人前主婦

帰りの遅い夫を待ちながら、今日も三歩進んで二歩下がる

【10ヶ月】成長記録と母の戯言

腕の中でコロンと丸まった娘。
降ろされないようにと、ほとんど眠っているのにもかかわらず、わずかな力で私の服をキュッと握る。数分後、その力も抜け、腕がダラリと下がったと同時に、ズシリと全体重9キロが腕に乗った。重い。よし、寝た。
近頃の子守唄は高田渡の「生活の柄」だ。頭に流れているのはハンバートハンバートの方だけど。

それにしても、1つ覚えると1つ忘れてしまうのか。
先日までよく口にしていた「まんま」や「んまんま」「どっぞ」をてんで発しなくなり、ブンバボンも違う踊り方をしだした。面白い。その代わりというわけではないけれど、やっぱり出来ることはどんどん増えていく。


以下、成長記録

・調子がいい時はバイバイをするとマネして手を振り返す。

・おもちゃを見つけたりすると「あった」「いた」的なことをと言う。

・おもちゃを床へ落とす遊びを覚えた。自分で落とした後に、大袈裟に「あ!」とか言って、夫に「だっ!」と言って取らせること、エンドレス。

・離乳食では、すきなものと嫌いなものがハッキリしてきて、嫌いなものだと首を振ってイヤイヤと赤い顔して怒り出す。あと、次はこっちが食べたいと、下手くそな指さしでお皿を選ぶ。

・いつの間にかつたい歩きを2歩3歩。5~6歩くらいになったかな?

・今のところ夜泣き知らず。よく眠る方だと思う。

・夜眠る前は抱っこを嫌がるようになった。寝返りをゴロゴロ繰り返し、壁に頭突きを食らわしたり、とにかく最後の力を振り絞って、寝るのを拒否し暴れる。


・おっぱいが欲しいと首元がら手を入れてきたり、胸ぐらを掴んで服を伸ばしたりと、荒れる。

・おっぱいを出すとにニマニマと満面の笑みを浮かべる。

・前髪がずいぶん伸び、目に入りそうな長さになった。襟足もずいぶん伸びた。

・3回食始めたら、またぷっくりしてきた様子。特に頬っぺたとか。

・お昼寝の時間が短くなってきた。午前午後にだいたい1時間ずつだったのが、合わせて1時間や1回の日も。

・たまに極端なママっ子になり、その度にパパを困らせ、落ち込ませる。

・指を指した方を見る。

・外出先で知らない人が近くに寄って来るとガン見する。とくにおばさん、おじさんの顔。

・またチャイルドシートでギャン泣きする日々に戻ってしまい、シートを前向きにしてみたけど、やっぱり嫌いな様子。乗せるときは体を仰け反らせて泣く。諦めておもちゃで遊び出すときもあるけど、長い距離は厳しい。行動範囲が狭くなってきた。

・泣き疲れて、そのままチャイルドシートで寝るってこともなくなってきた。

・ベビーカーはチャイルドシートよりすきな様子。短い時間なら、キョロキョロまわりを見渡し、楽しそうにしてくれる。

・泣き方が赤ちゃんから子どもっぽくなった。「だめ!」とか、私が大きな声を出した途端、下唇を突き出し、鼻の下を伸ばし、目に涙を溜め、泣き出すようになった。

・上の歯が生えてきたと思ったら、上下の前歯の横に1本ずつ、更に白い歯が見えてきた。一気に8本になるのか。しかし、すきっ歯なのがやや気になる。


重い腰を上げて、スマホに無限に溜まっていく写真を整理し始めた。多い日には30枚とか撮っている気がする。
私にしかわからないような微妙に表情の違う数枚の写真から1枚を厳選し、残りを消去。たぶん何百枚もの写真を消した。
何度も躊躇しては、それでも消す作業を繰り返していると、忘れていた記憶がみるみる蘇ってくる。あんなこともあった、こんなこともあった、嬉しかったことばかり。
小田和正でも流れたら、泣き出してしまっただろう。

そこそこ満足いくところまで終えると、もうすぐ1歳を迎えることが実感として湧き上がってきた気がする。

仰向けで毎日天井を見上げていた娘は、首が座り、寝返りをし、腰が座り、ハイハイをして、掴まり立ちをし、今となっては、つたい歩きもしている。歩くのも時間の問題か。

センチメンタル過ぎる気分で、こんな早い1年を×20回もしたら、娘は大人になってしまうのよ!嫌!と、
ある晩、夫に言うと、極端だと笑われた。

今は2人分の生活をしているから、1日が短いのは当たり前だ。トイレや食事も2人分、そりゃ私のごはんなんていい加減になっていく一方さ。1日に6回もちゃんとごはん作るなんて無理だ。
それに子どもと遊んで、子どもを寝かせて、子どもを抱っこして…家族のごはんに洗濯、たまに掃除に、自分だって化粧したり、本読んだり…車のエンプティランプ点いて何日目?賞味期限切れて3日目、まだ大丈夫だわーとかね。

確かに。
改めて考えると、げっそりしそうなタイムスケジュールだよ、毎日。

幼稚園や小学校に入れば、また自分の時間や生活が少しずつ戻って来るのか。嬉しいような、いや、嬉しいな。うん、どうなんだろう?

その前に、自分のこれからも少しは考えておかないとうんまくないなぁ、果たして仕事できるのかなぁ、とハッと我に返り、不安がぶくぶく膨れ上がる…その前には、いや、今言っても仕方ないしねぇ、よくやってるよーと自分を労わることがすっかり得意になってきたわ。なんとかなるさ。なんとかやるさ。


秋の夜長に

外はすでに充分なほど寒い、もうすぐ冬か。娘が生まれた季節だ。
月明かりが夏よりずっと夜を明るく照らしてくれる。このところ、暗くなるのが早い。夜の時間が長い。秋は大人の季節だなぁ。

娘を寝かしつけた後には、外へ出て、玄関先で深呼吸をする。
月の形を眺め、今夜は涼しいとか寒いとか、どっちでもよさそうなことを肌で確かめ、そっと家に入る。夫が帰って来る前の、束の間の1人の時間の始まりの儀式みたいな。
それから台所で洗い物を済ませ、乾いた洗濯物をたたみ、明日干す分を夜のうちに洗い、ざっと娘のおもちゃを片付ける。
だいたいこの頃には夫が帰って来る。夕飯を食べる夫の前に腰掛け、本を読みながら、仕事の愚痴に適当に相槌を打つ。
今日も1日が終わる。もう終わるのか。ふぅ、疲れたな。

秋の夜長に、毎晩思う。
「出かける前に、もう少し遊べばよかった。」「あの時、抱っこすればよかった。」「布団で眠らせてあげればよかった。」「早くごはんを用意してあげればよかった。」
“もっとこうしておけばよかった”と思わない日はない。そんなことを毎日毎日思いながら、毎日は過ぎていく。
すべて、やりきったと思える日は来るのか?いや、たぶん来ないこともわかっている。

子育ても、親孝行もそうだけど、自分のことじゃないから、仕方ない。相手の幸せは計れない。

今日上手くいったと思えたことでさえ、次の日になれば、昨日ああしておけばよかった、こうしておけばよかったと、あの手この手で、私の頭の中にやってくる。

後悔とはちょっと違う。娘にはもっともっと幸せになってほしいと思ってしまう。私は欲張りだと思う。

そして、私が娘にできることは限られているとも思う。
いずれ、娘は自分の力で幸せになるしかない。私の力では幸せにしてあげられない。
幸せになれる方法も知らない。私は教えてあげられない。

そんなことを夜な夜な思いながら、明日はもっといい日になるといいなぁなんて、具体策も浮かばぬまま、毎晩眠りに就くのさ。

1日は短い。1年もあっという間だ。一生は?まだわからない。でも、短そうだ。
このまま、こんな風に毎日が続くことを願うような、このままじゃちょっと嫌なような、秋の夜長は、しっぽり物思いにふけるのに、ちょうどいい。夏がすきだった私も少し大人になったのかしら、なんて。
凍てつくような寒さがやってくれば、シャキーン!と気持ちも頭も引き締まるのだろうか。季節が変わる度、気持ちも変化する。毎年、そんなことを思っているような。日本の四季でうっかり迷子になるよ。

 

【9ヶ月】成長記録

・フルネームを呼ぶと、「はーい」とバンザイをする。名前を呼ばれているのがわかっているっていうより、言葉の音で反応している感じかな?

・頂戴と手を出すと「どーど」とか「どっ」とか言いながら、持っているおもちゃを手のひらにのせてくれる。ま、渡すと見せかけて、おもちゃはなかなか渡してくれないんだけど。

・ありがとうと頭を下げると、いっしょになってコクリと頭を下げる。

・TVはいないいないばあよりおかあさんといっしょがすき。

・ブンバボンが始まるとTVにずんずんと近より、腕を振り、足踏みをし、ノリノリで踊る。卵が1つ~卵が2つ~のところでは、マネして顔の前で手で2つの輪っかを作れるようになった。

・呆気なくつかまり立ちをした。つたい歩きはまだ微妙。地団駄踏んでる感じ。片足はあげられる。

・ハイハイは膝をつけない形が娘の完成形のよう。両手両足を床につけ、お尻を突き上げ、四足歩行の動物のような姿。これ、高ばいと呼ぶらしい。
見慣れすぎて我が家では当たり前だけど、友だちからは笑われ、児童館でも注目の的となる。脚力が強いので、その形のまま下から滑り台を登ろうとしたりする。

・でも、最近はハイハイで動き回るより、座って遊ぶのがすきな様子。両手に積み木を持って、コンコンぶつけたり、あげたり、もらったりするのがブーム。

・相変わらず、タグとか紐とかチャックとかを口に入れるのがすき。

・ここ数ヶ月、頭を痛めてきたチャイルドシート、ギャン泣き問題。
ブンバボンやおかあさんといっしょで使われているの音楽を流してみたり、車内におもちゃを吊るしてみたり、新しいおもちゃで釣ってみたり、シカトしてみたり、もう私の方がまいってしまい、出かけるのも嫌になっていたところ、何がきっかけになったのか?少しずつ克服してきた。
ギャン泣きせずに眠れたり、独り言をペチャクチャ話していたり、おもちゃを握って食べたり、今度は私が泣きそうなほど、嬉しかった。いっぱいお出かけしようと思う。

・バナナは小さめ一本をそのまま食べ切ってしまう。初めて手掴みをさせたら、すごいことになった。手のひらで潰して絞って、指と指の間から出すという食べ方。笑

・大人が食事をしていると、あたいにも何かくれよ!とゴネる。せんべいやたまごボーロをあげ始めた。放っておくと次から次へと口の中へ。

・お腹が空くと?ご飯の用意を始めると?私を呼ぶ時?まんま、んまんま、と言う。私イコールごはんの人みたい。

・あんなにすきだったストローマグを嫌がるように。
麦茶が嫌なのか?コップの水をスプーンであげると、んまんまと言って飲むんだけども。ストローマグは投げようとする。まだジュースはあげる予定ないので、とうもろこし茶やさつまいも茶などでどうにかこうにか。

・運動量も増えたので、体重の増加がゆるやかになってきた。

・離乳食は相変わらずよく食べるというか、食べすぎている気がする。なかなか噛めず、どうしても飲み込んでしまうことが多い。

・人見知りはしてるような、大丈夫なような。

・とうとう上の歯が生え始めた。


取り急ぎ、成長記録を。(7ヶ月後半〜9ヶ月前半)

センチメンタルな夏の終わりに

このところ、外が涼しくなってきた。秋か。だいすきな夏が今年も終わる。

暑い間サボっていた散歩をひさしぶりに再開した。

ベビーカー嫌いの娘がめずらしくすんなりと乗ってくれたので、とくに用もなかったけど、たっぷり歩けるコンビニまで出かけることにした。

田んぼの中の小さな脇道へ入ると
さっきまでの車の騒音は一気に消えた。

娘はとんぼにヒラヒラと手を伸ばし
ひょろひょろと流れる小川の音に耳を澄ませ
いつかの水溜りをつつくスズメの姿をジッと見つめている。
そこへ気持ちいい風がやってきて
パーッと明るい、嬉しそうな顔をした。確かに。

帰り道、警備員のおじちゃんに機嫌よく手を挙げたかと思えば
寝ていると思った犬に突然吠えられ
真っ赤な顔をして泣き出した。

通りがかった自転車のおばちゃんが一生懸命変な顔を作って笑かそうとしてくれたけど、一向に泣き止まず、声はさらに大きくなっていく。

もう家は見えてるんだけどなぁとつぶやきながら、するっと右腕に娘を抱き上げ、空になったベビーカーを左手で押し、家路に着く。
ずいぶんとのんびり長い散歩になったな。


今日も私はなんにもできなかった。

娘が寝たらしようと思っていたことのあれこれはどれも手付かずのまま。
離乳食のストックを作なねば、あれ、トイレ掃除いつからしてないっけ、そろそろ図書館で借りている読みかけの本の期限も迫ってきたな、冷蔵庫の中も空っぽだよ。

欲張りな私は、あれもしたいこれも欲しい。もっとしたい、もっともっと欲しい。
子どものいない夫婦のことも、独身で働く人も大家族のかあちゃんも、海の近くの暮らしも、にぎやかな都会の暮らしも、どの人生も羨ましく思ってしまう。

そうか、それって、どんな人生も羨ましいものなんだなぁと、ふと気づく。

私は母になって小さな家で家族3人暮らしているよ。

コンビニで買ったかぼちゃプリンを食べながら、まんざらでもないなぁなんて、ふと思う。早く栗ごはんが食べたいな。

 

 

いつかの出来事を思い返して

賛否両論あるみたいだけど、我が家は早くから水道水をあげている。

というのも、退院後すぐ病院から出された薬を娘に飲ます時に、「湯冷ましや母乳と混ぜてあげて」としっかり書かれていたのに、何を思ったか、いや、何も考えずに、私は水道水に混ぜてあげてしまったのだ。
その様子をたまたま居合わせた弟(2児の父)に突っ込まれ(突っ込まれるまで気づかず)、一瞬蒼ざめたけど、あげてしまったものは仕方ないと開き直り、お腹壊さないでね~と念じながら、いっときを過ごした。

そんなことがあったものだから、それから何ヶ月か経ち、夏になってからの水分補給に麦茶がない時は水道水をあげることにした。

田舎なのでとくに水道水が美味しくないとは感じず、私たち大人も普通に飲んで暮らしているし、何よりどこに行ってもある。

それと、娘は大人と湯船に浸かるようになってから、どさくさに紛れて湯船のお湯を結構飲んでいる。飲みたがる。
ガーゼを湯船に沈めてお湯をたっぷり含ませてから、自ら口に突っ込むという技を覚えてからは、もう放置気味だ。
あ!と私が気づくと、テヘッと満面の笑みを返されるので、無理矢理ガーゼを奪い取ることもできなくて。湯船のお湯なんて、水道水よりよっぽど汚いだろうに。

夫も水が飲める方が、何かと困らないって聞くし、うちはもう水道水でいいだろうと、まぁ、こんな調子で呆気なく水道水デビューした。

第1子の時は色々慎重になると思うんだけど(私の性格的にも)、何故か我が家は想定していたよりずっと、テキトー。ん、適当?なら、いいんだけども。
妊娠中に神経使い果したか?逆に自分の行動が心配になるよ、とほほ。

なーんて、先日1歳の子を持つ友だちに笑い話しとしてしたら絶句され、あちゃーと思ったんだけどね。笑

各家庭、いろいろだわ。
そこ気にするー?!ってところを気にしたり、え?!それ平気?って思ったり。

育児書類を読み漁ったり、先輩ママたちの話を聞いていても思うけど、ほんといろんな育児があるなぁと。
育児って言いかたがどうも苦手だけど、他に言葉が見つからないから、育児と使うけども。(逆に子どもに育てられてるとしか思えない日々。)

たぶん育児に正解はなくて、もしあったとしてもそれがわかるのって何年も何十年も先のことだと思うし、だから、親はなんとか今出せる答えを絞り出し、間違ったかも?とか、これで良さそう?とか、繰り返し、何度も子どもと答え合わせをしていくんだよね。(水道水の件は私のミスだけど、結果良かったと思っている。)

その過程でだいたい自分の未熟さやだらしなさやずるさに直面して、まず己が成長せねば!
あー赤ちゃんからやり直したーい!なんて思ったりもするんだけど。

赤ちゃんには戻れないけど、やり直せることなら、何度だってやり直せばいい。
そう娘に教えたいのだから、親の私たちだって、間違っていた時は、やり直せばいいに違いない。
また子どもといっしょにちゃんとやり直したらいいんだって、自信がなくなった時のために、自分に言い聞かせておきたい。とりとめのない独り言。

 

 

離乳食!読んで字の如し、乳離れ。

奥が深いよ、離乳食。

いよいよ始めなくてはと、まわりからいろんな話を聞いて回った。
十人十色。まぁ結果!結構、面倒で大変なのが離乳食らしい。

「1人目の時は全部手作りでって意気込み過ぎて、途中から苦痛になっていた。」
「離乳食が楽しみで予定より早く始めちゃった。」
「全然食べてくれないから心配だし焦るしで、離乳食の時間がしんどかった。」
「3人目を妊娠した時に真っ先に浮かんだのが、あの大変な離乳食作りのこと。」
「友だちもいない県外へ引越したため、毎日ヒマだったから、全部手作り、作りたてをあげていた。作り置きって、なんか不味そうじゃん。」
「有機野菜などこだわって買っていたら、食費がぐんと上がった。」
「子どものアレルギーが発覚してから、授乳中の自分の食べ物も限られ、関係ない顔でなんでも食べている夫に不満が募った。」
こんな風に、様々な声を聞いた。先輩ママたちの話はいつも頼りになるし、ありがたい。

図書館で借りたり立ち読みしたり、本も何冊か読んだ。1冊手元にも置いてある。

どうも離乳食にはルールみたいなものがたくさんあって、月齢別にゴックン期・モグモグ期・カミカミ期・パクパク期と1歳~1歳6ヶ月を離乳の目安に、段階別に進めていくそう。

月齢別に食べさせていい食材や、量、硬さ、味付け、初めて食べる食材は基本1さじからと、ほんと未知の世界だった。
私はお粥がすきじゃないから今まで作ったことがなく、10倍粥なんてものを作った時は、すっかり母になったなぁと思ったもんだ。
とりあえず、我が家はこんな風にしていきたいという強い方針がお互いなかったので、友だちの話や本を参考に、ざっくり基本に沿って、とくにアレンジすることなく、進めていくことにした。

無理なく、とにかく無理なく、楽しく行こうがモットー。

お粥に慣れると今度は野菜を食べ始める。
にんじんから始め、ほうれん草やブロッコリー、おお、パクパクなんでも食べるぞ、スプーンにちょこっと乗せて、下唇に当てる。口を開ける。まるで実験のよう。

かぼちゃを裏ごししてお湯で溶いて味見をしてみる。あまーい!かぼちゃってこんな味だったんだ。
こんな具合で、調味料を使えない離乳食を味見するたび、食材の味を知る。豆腐だって、薬味たっぷりに醤油をかけて食べる私は、大豆の味なんてすっかり忘れていた気がする。日々、そんな発見がある。

なんだか楽しくなってきた頃、クタクタに出汁で煮た大根をあげたら、ものすっごい顔をした。
まだべぇと外に吐き出すことができないのか?オエーと舌を出しては戻し、それを数回繰り返し、仕方なく飲み込んだ。身震いしながら。
可哀想だけど、その姿に大爆笑。二日酔いの朝ですら、あんな見事な吐き顔はできないよ。
そして、再びスプーンに大根を乗せ、あーんと口元に運ぶと、反射的に口を開けてしまう娘。どんまい、今日のおかずは大根だよ。
大根に限らず、初めて口にする食材はこのパターンがお決まりになった。がんばれ、娘よ。

そして、1回食から2回食へ。
この頃からベビーフードも使うようになった。外出時の強い味方さ。
それでも、まだNGと言われている塩や砂糖が使われていることに、「???」と思うけど、硬さや味付けの参考にもなるし、外出先で温め直したり、食べ物が痛まないか気を使うより、ここは潔く活用することにした。心なしか外で食べるごはんは楽しそう。


うれしいことに娘はよく食べる。
目安の量のマックスを食べてくれるので、やりがいがある。
と言っても、育児全般で思うことだけど、「今のところ」なのだ。
気に入らなかったり、眠かったりすれば、途中でキーキー不機嫌になったり泣いたりする日もたくさんあるし、今のところ大丈夫が、ある日、まったくダメになることも、もうしっかり経験済みなので、食べない日はあまり気にしないようにする。その分、おっぱい飲んでくれ。まぁせっかく作ったのに、まったく食べてくれなければ、がっかりもするけど、大人だって食欲のない日はあるし。

休みの日は夫が積極的にあげている。完食まで30分近くかかるので、「こりゃ、毎日大変だなぁ~」と労ってくれるので、だろ?とドヤ顔。私のあやし方もよくわかってくれているなぁと思う。


ハードルを下げたからか、わりと順調に進んでいる。
これも先輩ママたちの失敗談や成功話を聞かせてもらっていたおかげだな。一人で何も知らずに育児書通りに始めていたら、心が折れていたと思う。

ゴックン期からモグモグ期になって、硬さも量も増え、あれこれ試行錯誤していると、この手で離乳を進めているのだと実感する。ほんとにおっぱいが要らなくなってしまうのかと思うと、途端に寂しくもなるけど、小学生になっても給食におっぱいとはいかないもんね。
魚やお肉も食べ始めたので、うんちもだいぶ変化して、筋肉もついてきたのだろう、顔を赤らめ、自分の意思でいきむ姿も愛おしい。ちゃんと食べていれば、出したいよね。立派な臭いに、いちいち感激しているのも今のうちだけだろう。

好き嫌いのない子に育ってほしいとは思うけど、まぁ私も夫も嫌いなものは嫌いだし、野菜嫌いは困るけど、嫌いな野菜があるのは私も同じ。パクチーなんて食べなくていいと思っているし。
ナスが嫌いな夫は、娘が美味しそうにナスを食べ始め、早速ショックを受けているよ。


すきな食べ物は?
4歳の姪っ子に聞くと「おにくー!」と即答し、お肉の変な唄を歌い出した。うん、肉食女子もいい。私は魚がすきだから、魚好きになってくれたら、刺身が食卓に並ぶ日が増え、それまたいい。

好きな食べ物はなぁに?早く、娘にも聞きたいぞ。

 

 

 

 

パチパチパチ

短い腕に小さな手。大きなお腹にまぁるい頬っぺた。髪の毛も、歯茎も、足の裏も、どこを触っても気持ちいい。そして、この時期の体温や匂いは特別な気がする。できるだけ、触れて、吸って、全身に染み込ませたい。

8ヶ月を迎えた娘は赤ちゃんからどんどん子どもっぽくなってきた。ついこの間まで、ゴロンと天井を見上げてるばかりだったのに、もう仰向けなんて退屈だわと、言わんばかりに、寝かせた瞬間飛び上がる。まるで起き上がり小法師のよう。

体のいろんなところを使って、自分の意思で、動こうとする。前へ横へ上へ。
我が家の狭い家の中を毎日冒険気分か。ドアを開けておいても決して出なかった廊下を、のそのそとひとりで進む、勇敢な後ろ姿。
掃除しなければいけないところが増えてしまった。


近頃は覚えたばかりの拍手を繰り返し披露してくれる。少し前までは両手が上手く合わさらず、ブンブン空振りばっかだったけど、もうちゃんと胸の前で右手と左手はパチッとぶつかり、小さな弾けた音を鳴らす。

パチパチパチ。

ワンワンとうーたんが歌い出せば、パチパチパチ。ごはんの準備ができたら、パチパチパチ。
まだ下手くそなハイハイで顔面からダイブした自分にパチパチパチ。
台所で味噌汁をこぼし舌打ちをした私へパチパチパチ。
疲れた顔して帰宅した夫へパチパチパチ。

こんな調子でなんでも受け入れてくれるし、なんでもOKなのだ。

ボールをちゃんと相手の方に飛ばせなくても、つかまり立ちからドスンと尻もちついてもOK。
私が寝坊しても、ちょっとくらいイライラしていても、深いため息を吐いてもOK。いいんだ、そんなこと。

許してくれる。忘れてくれる。エールを送ってくれる。
何が起こっても、次には嬉しそうにしてくれるので、ついにこちらも笑ってしまう。いや、そこ怒るところだろって。
大人の複雑な感情なんて、つまらんものだなぁとしみじみ思ってしまう。

あー毎日あなたのように笑っていたい。1分前に起こした小さな失敗なんて、忘れてさ。

できるようになりかけているいろんなこと、その調子で、きっともうすぐにできるようになるだろう。その時は、私があなたへたくさんのパチパチパチを贈るよ。