半人前主婦

帰りの遅い夫を待ちながら、今日も三歩進んで二歩下がる

妊娠中にそれなりにやってきたこと(後編)

サボっていた洗濯物の山と戦っていたら、夕方になってしまった。
さて、昨日の続きをさっそくさくっと書こう。

たぶん誰しもが直面するであろう、巨乳問題!もしかしたら貧乳な人ほどな気もする。

個人差もあるだろうけど、早い段階からたわわに実り始めた我がおっぱいに、もはや困惑中だ。現在進行形で、なおも成長を続けている。

しかし、体ってすごいなぁとしみじみ思う。ずいぶんのんびりな心の準備とは裏腹に、着実に母仕様に体は準備を始めてくれちゃうんだもの。勝手ね。
最初こそボイン自慢をして浮かれていたけど、谷間に容赦なくかく汗、どんどん黒く主張してくる乳輪。今まで着ていた夏服はなんだか卑猥。と、とにかく裸になる度、衝撃の連続だった。
なんだか恥ずかしい気分にすらなってきたわけで。なんだろ、牛みたいだし。
さらにこの先も容赦なくビックになっていくと聞いて、一体全体どうなっちゃうの?私のおっぱい!ひゃー!ってな具合だ。

取り急ぎ3~4ヶ月の頃にUNIQLOのスチームレスブラとブラキャミをサイズアップして購入し、プラスでPigeonの産前産後ブラも仲間入りした。脇からポロリと出せる斬新なアレだ!
ブラキャミはお腹まわりがすでにぴったりになってきたので臨月には着れないだろう、失敗だったな。胸から下がひらーと広がるタイプのものにすればよかった。

あと、授乳用に人気のモーハウスのブラが気になっているので、ただいまそちらも検討中。あと数枚は必要になりそうだし。



アプリは“トツキトウカ”を夫婦で使っていて、これがほんとよくできているなぁと思う。
非常に楽しく幸せな気持ちにしてくれるのだ。
アプリを開くとこんな調子で、毎回一言プレゼントしてくれる。かわいい。

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はじめこそバカにしていたけど、毎日毎日眺めていると、まるでまだ見ぬ我が子のよう思えてきて、かわいくて仕方がないのだ。すっかり夫もハマっている。

今日はどんなポーズしてくれているかな?はじめは豆粒みたいだった我が子が、スマホの画面の中で、どんどん大きく成長していくのだ。お腹の中を見れないから、夫といっしょにまた表情が変わったね、新しいことしゃべったね、元気に育ってくれているんだね、などと、夢みたいな甘い気分を味わっている。いい年して笑ってしまうが、今では一日に何度も開いてしまう、癒しの神アプリだ。

日記には、健診のエコー写真や大きくなっていくお腹の写真、お出かけの写真などをペタペタ貼って、健診の様子や体調などを一言添えている。手書きの日記よりずっと手軽なので、わりとこまめにアップできている。
あと今の自分の週数を把握できるので、とくに妊娠初期の自分の週数がよくわからなかった頃は、アプリを開けばすぐに表示されたので、便利だった。


妊娠出産本もたくさん読んだ。
妊娠発覚後、私より先に定番のたまひよを買って帰って来たのは夫だったな。嬉しそうに帰ってきた顔を思い出すと涙ぐんでしまうわ。私より先に読んじゃうから、まるで先輩妊婦のようだったな。
それから夜な夜ないろんな本のページを2人で開いたっけ。
“今小指の爪くらいかな?”と小さすぎる我が子を笑い、
あんまり辛いもの食べすぎないよう言われたり、やっぱり食べたいだの騒いだり。

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これに加え、妊娠出産エッセイや漫画も読んだ。
十人十色、妊娠出産にはドラマがあって、笑いあり涙あり、赤裸々な秘話の数々にずいぶんと励まされた。
コントみたいなことが起きるのが、妊娠出産なんだろう。神秘的であり、むしろギャグみたいだとも思う。
夫は宮藤官九郎さんのエッセイ“俺だって子供だ!”が気に入っており、私は小説だけど角田光代さんの“予定日はジミー・ペイジ”がお気に入りだ。

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やれ妊婦中に必要だったあれこれも一段落し、これからは出産準備本番に入るのか!恐ろしや~

チャイルドシートやベビーカーに始まり、哺乳瓶やおんぶ紐、おしり拭きウォーマーなんてのもあるらしい。
私の母親の頃はまだ布おむつが主流だったので、年子の妹と私の分と、毎日毎日おむつの交換とおむつの洗濯ばかりしていたと言っていた。想像するだけで、ぐったりしてしまうわ。
とりあえずネットの口コミや雑誌を片っ端から読み漁ってはいるけど、どうも私は買い物があんまり好きじゃない気がする。赤ちゃんグッズって無駄にウキウキするものなんだろうけど、結構冷静にどれも要らない気がしてくる。何が必要なのかもイマイチわからないし。
ちっちゃくて、洋服とかどうしょうもなくかわいいんだけどね。着れるの一瞬じゃん!と、かわいい洋服を前にかわいくないことをボソッと言ってしまう。


それに比べて、買い物好き、道具好きの夫は何やら真剣にメーカーごとのスペックなどを比較しては、ニヤニヤ楽しそうだ。ベビーザらスに行けば、私の知らないメーカー名をぼんぼん説明してくれる。これ着せたいと見せられる服は、どうも私とは趣味が合わず、またひと悶着ありそうだ。
まぁ感心するやら、哺乳瓶の飲むときの角度が・・・とか言い出した時は、ちょっと引いたけど。
妊娠出産育児に全然興味を示してくれない夫の愚痴をまわりからよく聞いてきたから、ありがたーく、おとなしーく、ちょっと気の早いと思われるウィンドウショッピングにも付き合っておこう。

明日は初めてのパパママ教室だ!夫はどんな講習なのか、やや緊張している様子。
今までの感謝も込めて、夜はひさしぶりに焼肉でも食べに行こうかな~

 

妊娠中にそれなりにやってきたこと(前編)

すっかり外は秋の気配。今年は夏らしくない夏だった。あ、BBQしてないや。ちょっとさみしい。
今日から9月かぁ、早いものでもうすぐ妊娠7ヶ月に入るのだ。
たくさんの情報に踊らされながら、浮いたり沈んだり、忙しかったな。
それでもそれなりに妊婦らしいこともやってきたんだなぁと、今日は振り返って、記録に残しておこうと思う。

まずは葉酸の話!
妊活中の人や妊娠初期の妊婦さんは、1日480μgの葉酸を摂ることが厚生労働省から推奨されているそう。知ってるだろうか?葉酸なんて言葉すら、まったく知らなかった私。
妊活中のちょうどいい時期に先輩妊婦さんから教えてもらったので、ルイボスティーと一緒に葉酸摂取を始めてみた。普段の食事からちゃんと摂れればいいのだけど、例えるならバナナ10本って、なかなか難しい量。もちろん野菜や果物かバランスよく摂らなきゃだけど。

そこで足らない分を補うために葉酸サプリの出番なのだ。しかし、このサプリ選びが難しいというかキリがなくて。何メーカーも試せないし、添加物などを調べるにも知識が乏しいので、いちいち挫折する。中途半端な調査を繰り返しては、いよいよ面倒になってしまった。

いつまで続くかわからない妊活だったから、最初からあまり高価なものは続けられるか微妙だったのと、いざ妊娠したらそれこそオーガニックで高価なものに変えてもいいやね~と思い、
それでも合成葉酸か天然葉酸か、添加物の有無・量・内容、定期購入のからくり、値段、HPの信用性、口コミ、飲みやすさ、この辺を自分なりに調べ、納得したもの。
なので・・・結果的に、気に入って今もそのまま飲み続けている。(妊娠中期の現在は量を減らします)
小粒で飲みやすいし(私は1回に1日分の4粒飲めたし、匂いもほとんど気にならなかった)、
コスパは抜群、口コミも成分も安心できそうなので、出産までお世話になることで落ち着いた。

【AFC公式ショップ】女性100人の声から生まれた葉酸サプリ

【AFC公式ショップ】女性100人の声から生まれた葉酸サプリ

 

値段もドラッグストアで買える500円程度の安価なものでもなく、5000円オーバーの高価なものでもなく、真ん中くらいってのが、やっぱり手が出しやすいし続けやすく、私にはしっくりきたかな。


次に妊娠線予防!
WELEDAのマザーズボディオイル(マタニティーストレッチマークオイル)
ただいま2本目使用中。
しっとりいい匂いで、これとっても気に入っている。香料はすべて天然のエッセンシャルオイルだそう。私はつわりが軽い方だったので、香りも気に入っているけど、けして強すぎないのでつわりの大変な人でも使いやすいと思う。
サンプルでもらった他メーカーのクリームも悪くなかったけど、これは迷いなく即決した品。

ヴェレダ マザーズボディオイル 100ml

ヴェレダ マザーズボディオイル 100ml

 

 オイルに慣れてないから最初こそ伸ばすのが難しく感じたけれど、慣れてきたらなんてことなく、肌なじみもいい。ただやはりオイルなので、塗った直後に服を着るのは少々ためらった。私はお風呂上りに塗って、即パジャマだったので、 それもすぐ気にならなくなったけど。

こまめに塗るのが面倒なので(1日2~3回が塗った方がいいらしい)、
お風呂上がりに1日1回、お腹、胸、お尻、太もも、二の腕!今のところ、線は出てない。
しかし、7割以上?2人に1人?の妊婦さんに妊娠線ができてしまうというショッキングな噂を耳にしたので、こればっかりはなぁ~急激な体重の増加に気をつけながら、引き続きケチらず塗っていきたいと思う。頼んだぞー!


腹帯は「犬印はじめて妊婦帯セット」にした。

犬印本舗 妊婦帯 はじめて妊婦帯セット M~L ピンク HB-8106

犬印本舗 妊婦帯 はじめて妊婦帯セット M~L ピンク HB-8106

 

戌の日に神社でお祓いしてもらったもの。キナリのシンプルなものにしたけど、ちょっとババ臭かったかな。
6ヶ月を過ぎたあたりから、体重増加による腰痛が本格的に始まって、それなりにつらくなってきたので、仕事中と家事中は付けている。しかし、気温の高い日は、補助腹帯とコルセットタイプの妊婦帯を両方付けると、息苦しいくなかなかしんどかった。
せっかく買ったので、わりと真面目に付けてるけど、まわりからは面倒で途中から付けなくなっちゃったーなんて声もよく聞いた。すっぽり守られている感じが私は安心できて、好きだけど。
これから冬に向けて、冷え対策も兼ねて今以上に活躍してくれることを期待!

以上、長くなりそうなので今日はこの辺にして、続きはまた後日。

 

ミニマリストとコレクターの狭間

年内には4年暮らしたこの家を引っ越す予定だ。
気づけばこの家の収納はすっかり満タンになっていた。

我が家はたぶんものが多い。

今時珍しいコレクター気質の夫。今でこそそんなことはできないだろうが、スニーカーを履く用と観賞用と2つ買いたいタイプの人だ。

私はと言えば、兼ねてから乗りたかった断捨離ブームと、長旅から帰国した異様な興奮で、もう何も要らないわー!と、結構な量の本を、あげるなり売るなりして思いっきり手放した時期がある。
しかし、せいせい気持ちよかったのも束の間、何冊もの本を買い戻した。
結果、小さな本棚が1つ増えた。


夫婦揃って定期的にTSUTAYAでレンタルしては泣く「スラムダンク」は、もういい加減全巻揃えた方がいいのではと、もっぱら夫婦会議の議題だ。全31巻!

憧れの松浦弥太郎さんが言う。

“本は読むもの、飾るものではない。読んだら処分。”
「本を所有する“蔵書”という感覚がありません。本棚に飾る、読むべき本をストックする、系統的にそろえていくという主義はありません。本は読むものであって、読んだら役目は終わります。よほどのことがない限り、読み終わったらすぐに処分。人にあげる、寄付する、やり方はいろいろあります。これは物を増やせないための考え方でもあります。」
〜100の基本 松浦弥太郎のベーシックノートより〜

そうなんだよ、読むものであって、集めるものでも飾りでもない。


しかし、大好きなみうらじゅんさんは言う。

――それでもミニマリストには共感できませんか。
だって、何かアイテムがないと、そんなに面白い人間じゃないっていう、自負でもないですけど、大した人間じゃないと思い込んでいますから。バンバン、モノを捨てる人たちは、ありのままがすごいと思っているのかもしれないですね。僕は、たいしたことない人間ですけど、いろいろ面白いモノを買ってきましたから、と生きてきた。そんなにモノをなくして、自分が残る自信がありません。自分を取り巻く世界も含めての自分ですしね。僕は怖くて素っ裸では勝負できません。こっちから見ると、そういう人は自信ありすぎでクラクラします。

みうらじゅんが考えるミニマリスト -- 「ミニマリスト」になりたいわけじゃない -- 朝日新聞GLOBE

まったくもっておっしゃる通りっす。

対照的な2人だけど、BOOKOFFに売り出されてるのは松浦弥太郎さんの本が圧倒的に多い気がするのも、納得かな。


自分の本棚を眺めるのが好きだ。
本棚の前にしゃがみ、あれこれと手を出しては引っ込めて、だらだらと過ごす時間は至福の時に思う。

ただただタイトルが好きだったり、突然手に取りたくなる詩集だったり、自慢の本だったり、思い出があったり、解せないミステリーだったり、積読本だって何十冊とある。

私のちっぽけな世界がぎしぎし詰まった、自意識の塊みたいな、うっとうしさが、心地よい。
そんで、遊びに来た友達が本棚を「面白そう」なんて言ってくれた日には、嬉しくなって、
貸す貸す貸すー!どれでも持ってってー!となるのだ。うざい。

しかし、積読には結構困っておる。
ふとしたタイミングで積読になってしまった本たちには、ほんと申し訳ない気持ちになる。
一気には読めないし、でも、今読みたい旬の本とは違うし、かと言ってむやみに断捨離はできない。やむなく後回し。

話は少しずれるけど、そんな積読についての悩みに、ポジティブな記事を見つけた。

「買った本が積まれた状況は、自分が知りたいことや欲求の鏡だといえます。それが目に入るところにあって、日常的にざっと眺めるだけでも、相当な知的刺激になります。」 

 "積読" は解消の必要なし! 東大教授に学ぶ、"積読" ほんとうの価値。 | コラム

これこれこれ!
結局退屈が苦手なのだろう。いつだって言葉ばかり追っては、刺激を浴びたがる。
私の中の罪の意識が見事に薄れ、いつまでも追っつくことはなくとも、のんびり読んで行こうと思ったわけで。

でもさ、違う、ほんと!
この現代、身の回りをミニマムにすることは健康かも、大事かも、しれないぞ!と、思うわけで。
ものと情報で溢れかえってるって、誰もが思うでしょ。

自分で収集したくせに、ものや情報に振り回されて、パンクすることも多いでしょ。
やっぱり頭も体も持ちすぎれば重くなる。鈍る、しんどい、邪魔。
健康に適した体重があるように、適正な持ち物の量はやはり限られているように思う。

ほんとにほんとにほんとに必要か?と問われれば、
悲しいかな、そうでもないものだらけ。

残酷なニュースもわけわからん騒ぎも誰かんちの不倫もインスタ用の写真も、もう十分でしょ。
増えて欲しくないでしょ。

あの5年は着てないワンピースも、どこで買ったのかも忘れた変な置物も、記念に取ってあるフェスのリストバンドも、たぶんもう出番は終わった。

気づけば好きなものばかりのはずが、なぜか余計なものや不穏な情報にさえ、安心感を覚えたりしてる。
寂しいから?比較したい?刺激不足?

あれ、なんの話だ!ほら、頭の中もごちゃごちゃとしてる証拠じゃないか!

ある程度ごちゃごちゃとものや情報に囲まれてこそ、私は調和が取れ、好奇心も満たされるのかもしれないけど、このバランスがなかなか難しいように思う。
一線超えるとすぐにグラグラと崩れ出し、いとも簡単に心身ともに不調になっていくのだから。

そして、また懲りずに、見切り発車で断捨離もどきを始めてしまうのだろうか。はは。
断捨離にはちゃんとコツとかあるよね、たぶん。
まぁやらしておけばいいかと放っておくことにしたが、そんなことを考えていると、どっちつかず、ミニマリストとコレクターの狭間はツライよ。まったく。

結局いつだって心はとっ散らかったまんまなのだった。ハイ、お手上げ!

はてさて、引越しを機にどっちに転ぶか。
どっちにせよ、少し片付けなくてはならないことに違いはないだろう。
まずは積読の中のあの1冊から手をつけてみることにしよう。


 

 

魔法のような音たち

夏の日。お腹に手を乗せると、手を繋いでいる気分になる。
このまま昼寝しちゃおうか。

まだはっきりこれだ!という胎動は感じられないないけど、脈拍の違う心臓の音が、
自分の体から2つ聞こえてくる、気がする。
ドクドクドク、この大きくて遅い方の音がきっと私だ。
だとすれば、トクトクトク、小さくて早い方が君ってことか。生きてる。
1つの体の中で2つの心臓が動いているってのは、なんとも不思議で。
合わせたら目玉は今4つあるってことなのか?なんかそれは怖いな。

あれ、やっぱり動いているよね?トクトクじゃない音、ぽこぽこと泳いでいる音。

しかし、いつを胎動記念日にしたらいいのか?今日?いや、昨日も一昨日も感じてる。
もったいぶってるわけではないけど、母子手帳に記入する“初めて胎動を感じた日”は、空欄のまま、すでに数日が経ってしまった。
もっともっとボコボコ蹴られたい。

「あ、今動いてるかも?!」と、声をかけると夫は飛んでやってくる。
だけど、この小さなぽこぽこはまだ届かないらしく、焦れったい様子で、ずるいずるいと悔し顔。
私がソファに寝転がれば、今度は真剣な顔でお腹に耳をピタリと張り付け、目を閉じる。
しーんと静まり返った部屋にグルルル〜、ちょうどよく私のお腹の音が鳴り響き、
はっと目を見開いて、「今の?!」と合図を送ってくるけど、
そんなはずないじゃん、赤ちゃんはもっとかわいい音をさせるのよ。うふふ〜。

このとんちんかんなやり取りは毎晩のようにつづき、終いには私の心臓の音がドクドクとうるさいと言われるんだった。早く夫にも聞かせてあげたい。

ソファに寝転がった私から見えるこの小さな視界には、今幸せしかない。
小さくて不確かだけど、十分すぎる。誰かと比べることのできないものだと思う。

近頃、妙に幸せだ。“妙に”って例えも変だけど。じんわりのんびり時間が過ぎていく。
安定期ってのは身も心も安定するのかな。私が守っているはずの赤ちゃんに、逆に守られている感じがする。
ぽこぽこ。ぽこぽこ。今日も魚みたいにお腹の中を泳いでいるのかな。
あぁ、私も海にでも行きたいな~

 

 

 

本だらけの長野旅行

安定期に入り、片っ端からやりたいことに手を出そうと息巻いている。

あの子やあの人に会いたい。少し遠い気になるパン屋さんも行きたい。ライブも行きたい。やっぱり海も行きたい。映画も観たい。美容院でさっぱりしたい。夜遊びもしたい。要らないと思っていたマタニティーウェアも少し欲しいから、買い物もしたい。
何より旅行に行きたい。

これらの多くは育児が始まったら、しばらく簡単に出来なくなるらしい。
イコール、安定期の今しかないらしい。先輩ママ達からの決まり文句、
「妊娠後期に入る前に、やりたいことやっといた方がいいよ」にあわあわと焦ってきた。
しかし、気持ちとは裏腹に体は着実に重くなっていく一方で。
よいしょっと声を上げ丸い腹を抱え、一泊二日の長野旅行へ出かけることにした。

楽しみにしていたALPS BOOK CAMPめがけて!

alpsbookcamp.jp

それは静かな森の中、湖のほとりに、県内県外各地から本屋さんが集まる、ため息の出ちゃうような夢のようなイベントなのだ。

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音楽あり、フードあり、雑貨あり、ワークショップあり、
湖畔にレジャーシートを広げて、買った本を思い思いに読んだらいいのさって、
なんだこの初めて訪れたとは思えない居心地の良さ。

生憎雨が降ったり上がったりしっとりな天気だったため、ゴロリと寝っ転がることはできなかったけど、それでも久しぶりにてくてくと歩きまわり、のびのびと呼吸をして、ほんとうに気持ちのいい1日だった。
晴れていれば湖で泳ぐこともできるみたい。雨が降っていても子どもたちは水の中ではしゃいでいたっけ。寒くないのかな、子どもは強いな、かわいいな。

その晩は近くに宿を取り、夫は久しぶりにビールなんか飲んじゃって、私は久しぶりの温泉に少しだけ浸かった。

2人で過ごす夜はいつになく静かで、来年もまた遊びにきたいねって話をしていたら、
その時はもう3人なのかぁなんて、なんだか急に感慨深くなったり。
2人で過ごす時間もあと5ヶ月か。
知り合ってもう10年と経っているってのに、まだ名残惜しくなってしまうだなんて。
ケンカもほどほどに2人でしたいこと、楽しいことたくさんしようと思うんだった。

翌日は北アルプス国際芸術祭の最終日。
気になっていた作品を数点、見てまわった。山や自然がテーマになっている作品が多いから、アートに疎い私たち夫婦でも、十分楽しむことができた。

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作品の展示してある各エリア間は車で移動するので、大自然の中のドライブも楽しみにしていたのだけど、この日も厚い雲が消えることはなく、すぐそこに見えるはずの北アルプスの山々を拝めなかったのは、少々残念だった。

あの雲の先にきっと白馬岳が見えるはずだね、早く子ども連れて登山に行きたいねって、話しながら大町市を後にした。


そんなわけで少し早めに切り上げたので、オマケで帰り道にある、これまた行きたかった上田市のNABOという古本屋さんへ寄り道することにした。

店内に並ぶ本は全て、飲み物を飲みながら読むことができるらしいので、何時間でも居れてしまいそうな贅沢なお店。
お店に入るなり飲み物を頼みもせずに、本棚の端から端を行ったり来たり、
読みたかった本や面白そうな本を手に取っていると、あっという間に時間は過ぎていて、もう1件寄りたかったパン屋さんはすでに閉店してしまっていた。
せっかくなので帰り際にコーヒー1杯をテイクアウトし、ちびちびやりながら、上信越道に乗り、家路を急ぐ。

最近は夫婦揃って妊娠出産にまつわる本ばかり読んでいたけど、
この旅行のために貯めたおこづかいで、自分だけの本を数冊買えたので、しばらく妊娠出産本から離れよう。いろいろ詰め込み過ぎてちょっと疲れたところ。
って、夫はまーたその手のマンガを買っていたけれど。

さて、帰ったらどれから読もうか。
いや、まだ家にはたくさんの積本があるんだったよな。いつになったら読み切るのか。
しかし、世の中読みたい本だらけだ。


楽しかった旅行もタダイマしたら、どっと疲れが出て、
ぱたりと眠ればひらりと朝が来て、また日常生活が始まったよ。
さて、仕事から帰ったらソファでゴロゴロ本もいいけど、少し運動もしないとな〜
あんまりぶくぶく太ると、やりたいことやるにも一苦労やで~

 

 

妊婦!すべての欲望と戦う

何を隠そう、私は酒も男もあれもこれも好きだ。
それに、寿司や牡蠣やレアのステーキやナチュラルチーズなど、当たりやすい食べ物が好きだ。
飲み物は基本紅茶か緑茶で、コーヒーも好き。スパイシーなカレーは1日1回は食べたい。

これ全部NGね!妊婦だもん、当たり前でしょ?

わかっていたけど、この風当たりが思ってた以上に辛かった。いや、向こうから当たってくるわけじゃない。むしろ私がガンガン当たりにいってる感じか。
どいつもこいつも、寿司屋もカフェも気に入らねぇ、みたいな気分になった。

嬉しい時、楽しい時、疲れた時、泣きたい時、私は酒をあおり、それら好きなものを食べ、コーヒーを飲み、男の子を眺めた。それなのに、その全部の気持ちをノンアルコールでおとなしく過ごせとは、なんてこった!早くも逃げ出したくなった。

そして、自分の準備不足を呪った。
いつするかわからない妊娠だからこそ、いつしてもいいように、やめておくか、やめられるようにしておくか、やめる前に思う存分やりまくるか、しておくべきだった。
いくらしたって準備万端とは言えなくても、私は圧倒的に不足していて、子どものようにダメと言われれば言われるほど、すべてを欲しがった。不機嫌になり、自己嫌悪になり、夢にまで出てきた。

妊活中あんなにはりきって飲んでいたルイボスティーが一瞬で味気なくなり、
生牡蠣で日本酒、カフェで一服、ウェルダンのステーキならむしろ食べたくない。という、有り様。

私はおかしいのか?妊婦失格なのか?

妊娠したら、一切合切やめると言うか、自然と欲しなくなるものだと信じていた。
ホルモンがそうさせてくれるのだとばかりに。

すっかり自信をなくしおろおろとうなだれる私に、すでにママをしている友達は豪快に笑い、気にしすぎもよくないよと、その気持ちを優しく許してくれた。逆に未経験の友達は、正しく厳しかったりもした。

誰かを非難するつもりでも、自分を甘やかすつもりでもないけど、この時期の出来事で、私なりに感じたことがある。人の気持ちって、いくら想っても全然わかってあげられないのかもしれないということ。
まったく同じ体験や状況は経験できないけど、同じ立場になってみないとわからないことってやっぱりある。
当たり前なのかもしれないけど、妊娠してみてわかったことが確かにあって、それは少し前まで私がやんわり想像していたことと、まったく違うわけではないけど、もっとずっとなんていうか濃くて深かった。

恋をしてみて、失恋してみて、働いてみて、結婚してみて、病気になってみて、何かを始めてみて、わかることがあるし、その立場になってみなければ、ほとんどわからないに等しいのかもしれない。

私も何もわかっていなかったから、想像力が足りなかったから、早くに妊娠しママになった友達を当時傷つけたであろう自分の言動が、いくつも頭に浮かび上がった。
それは、妊娠以外のことでも浮かんできたのだから、同じ立場になったことがあるにもかかわらず、まったく同じ経験をしてはいないからなのか、やはり想像力が足りないからなのか、たぶん傷つけてしまったのだし、何もわかっていなかったように思う。
今からでも謝りたい気持ちだ。

正しいアドバイスはもちろん大切だけど、時として嬉しいアドバイスや優しいアドバイスに、どれだけ救われるか、大げさだけど、この時とても染みたのだ。
がんばろうと元気が出たのは、私もだったよ、大変だよね、と言ってくれた、嬉しいアドバイスだったから。

こんなことを言い出したら、もう何も言えなくなっちゃうけど、よっぽど伝えたいことがない限り、アドバイスは相手が嬉しいものを贈りたいと思った。
何が正しいかは、本人がほんとは一番わかっていると思うから。


そんなわけで、朝まで飲み歩くなんて、もうしばらくできないのだろうな。
インスタに上がる、BBQ&BEERな写真に震えながら、しみじみ思う。季節は巡り、夏が来る。
当たり前だけど、みんなみんな変わっていくのだ。

立場が変わってしまう友達がいることに、どうしようもない寂しさが募る夜もあるけど、今までいっしょだった数々の共通点を胸に、今までより思い合えるように、なれたらいい。
もうなっていくしかないし、なっていけないかもしれないことを、今はあんまり考えたくない。

なんだか大真面目に書いてしまったが、要するに私は妊婦になったって、酒もあれもこれも、悲しいかな、全部したかった。飛行機に夜行バスに乗って、どこでも行きたかった。

母性なんて、妊娠しただけじゃ、空からキラキラ降って来やしないのじゃ。
いや、母性の塊みたいになっていくキラキラ妊婦さんを何人も見てきたから、自分もそうなるとばかり信じていたし、だからそもそも自分には母親になる素質がないのではと、心底ガッカリしたのだ。
え!なれてないよ、私って。これ、結構ショックだった。泣いたし。

そして、これくらいのことで、自分がこんなに過敏にいちいち反応するとも思ってもみなかったので、この先も初めてのことばかり、わからないことだらけなわけで、
うーむ、道はたいそう険しいと思われる。

今回の準備不足、いい勉強になっただろう。
ぼちぼち引き上げて、次にやってくる試練はもう少し上手いことやってのけたいものだなぁと。

しかし、ビールのない夏なんて...って、ほらもう、ね!!!



どうも今度は妊婦ブログになりそうです。

毎月やってくる妊娠検査薬との睨み合い。

これ不良品じゃない?と疑い出す。そして、もう一本。やはり線は出ない。
往生際が悪い。なけなしのあと一本。またムダにした。

丸い窓を睨み過ぎて、うっすら線が浮かんできた気さえして、目を擦る。いや、真っ白だ。
手を合わせて念じる。“終了”の窓にじゃなく、“判定”の窓にあの縦の線が欲しいのです。どうか私に線をひとつ。
再び角度を変えて見る、光りにかざす、いや、どう見ても真っ白か。正気に戻る。深いため息をひとつ。





そして、私はついに妊娠した。

たかだか半年が過ぎただけなのに、もしかして妊娠できないのではと、頭に浮かんできた頃だった。
ちょうど通院している産婦人科で、夫婦でがんばってダメなら、この妊娠に邪魔そうな筋腫を取りますか!と言われていた手術を、いよいよするかしないか決める月でもあった。

なので、その月に突如現れた線を見てもまだ、自分だけでは信じ切れず、そのまま妙なテンションで立て続けに2本キメて、次々浮かび上がった線たちをきれいに並べて、写メし、2人の子を持つ友達にLINEした。既読を確認するや否や、即電話。

これは線なのか?これが噂の線なのか?と詰め寄った。
経験者が言う「たぶん、間違いないよ」の一言でやっとうわーーーー!となったのだ。嬉しいっていうより、勝負を勝ち取ったような、そんな気分だった。

並べた妊娠検査薬に深々頭を下げ、ありがとうございます。と心の中ではっきりと言った。

そのすぐ後に、やっぱりあわあわと狼狽え始めたのだ。
え、ほんとに私妊娠しちゃったの?


当時書き留めていた気持ちを読み返すと、全てウソのよう、まるで自分ではないようで、嫌になって残らず消した。世に広がるマタニティーライフってのを意識し過ぎ、やたらと神秘性を求めていた。

現実はそんな甘くなかった。自分が天邪鬼の面倒くさい奴だってこと、忘れていた。
妊婦になったら性格までふんわり柔らかくなるかと一瞬思えたけど、無理矢理ほほえんだ笑顔に隠された、心のギザギザはそう簡単に隠しきれやしないのだ。
厄介だった、ほんと。これはあとで愚痴ろう。

それから時間にして4ヶ月が経ち、妊娠5ヶ月と言われる期間にまで、やって来た。
信じられないが、お腹も少し出てきた。
今から祝!マタニティーライフスタート♡とはいかないけど、やっと少し落ち着いて妊娠したことと向き合える気持ちを持ち直したとゆーか、単に妊娠期間が半分近くも過ぎて、焦って来たのか、残したい思いが溢れてきた。

だって、あと数ヶ月後には、子どもを産むかもしれないんだぞ。
私たち夫婦の一方的で勝手な願望で、一人の人間をこの世界に連れてきてしまうんだぜ。

もしかすると一生に一度かもしれないな。

そして、自分の無力さを痛感させられた。
果たしてこんな不摂生な生活のままでいいのか?こんな腐った世の中と、ほざいたままでいいのか?大小異なるたくさんの不安や疑問を、何度も夫に打ち明け、今出せる答えを探り、確かめ合った。
まだ間に合うことはあるか?今から出来ることはないか?これからどんな家庭を築いていきたいか?頼りない2人で、提案し合った。

その提案の多くは今もまだ出来ないままだけど、現在進行形で多くのやりたいこと、やるべきこと、思いを両手いっぱい抱えている。
それはどれももちろん不安要素であるのだけど、同時に味わったことのない喜びでもあるのだ。

こんな不安と喜びにぐちゃぐちゃに押し潰されそうな日々、辛いと幸せを同時に浴びる日々、忘れたくない。

そして、「あーまじショボいわ、あの頃の私」って、いつか笑ってやりたい。
その時のつまみに、残しておこうと思い、放置していたブログを再び開いた。ずいぶん時間は過ぎていたんだなぁ。
今度は妊娠出産ブログになるのか?まぁなんでもいいや。

頼りなくて、弱音ばっかの妊娠、18w1dの日より心を込めて、
産まれる前からあなたのことがだいすきみたいです。

はじめての妊娠・出産安心マタニティブック―お腹の赤ちゃんの成長が毎日わかる!

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